イメージ写真_管理栄養士_濱裕宣先生_お酢のポーズ

管理栄養士がすすめるお酢の活用法|お酢を習慣に

お酢が好きな酢好きさんのインタビュー連載。管理栄養士であり、多数の栄養・健康レシピ本を手がける東京慈恵会医科大学附属病院 栄養部の濱先生に、お酢にまつわるお話を伺いました。

Q1 お酢を好きになったきっかけを教えてください。

「お酢は子どものころから食べていましたが、お酢のよさが分かってきたのは、意外と年齢がいってからです。

年齢とともに身体が脂の多いものを受け付けなくなってきたのですが、炒め物や揚げ物などにお酢をひとかけすると、油っぽさが解消され口の中をさっぱりさせてくれるので、お酢を好きになりました。

実際に私が勤務している病院のアンケートでも、年配の方はお酢を使った料理を出すと喜んで食べてくれるという回答もいただきます」

Q2 お気に入りのお酢料理はありますか。

「色々ありますが、一番は『南蛮漬け』です!

赤石先生と同じく、お酢とともに野菜もたっぷりとれる南蛮漬けはおすすめです。肉でも魚でも、南蛮漬けにしたらどちらもおいしく食べられます。あとは、簡単にお酢をとることができ、おつまみにもぴったりなもずく酢も好きです。

また、好きで自分でもよく作るのはトマトのシンプルなサラダです。食材はトマトを角切りにして、玉ねぎをみじん切りにして加えるだけ。そこにお酢、オリーブオイル、塩、そして砂糖を少し。火を使わずに簡単に作ることができて、前菜や副菜にもぴったりの一品です」

Q3 お酢のどんなところが好きですか。

「何を食べても最後にお酢をとると、口の中がさっぱりするのがいいですよね。

お酢のツンとした酸味が苦手という方は、揚げ物など油の多い料理にお酢を少しかけて召し上がってみてください。お酢のさっぱりとした口当たりで揚げ物が食べやすくなり、油のおかげでお酢の酸味が和らぐので、ぜひ試していただきたいです」

Q4 管理栄養士として、お酢の活用はどのように考えられていますか?

「まずは皆さんに『お酢をとる習慣』を続けてもらいたいです。お酢をとると、食後の血糖値の上昇を緩やかにしたり、血中のコレステロールや中性脂肪を抑える効果が期待できます。

料理でいただくなら、家庭料理の定番でもある『酢の物』や、切って野菜をお酢に漬けておくだけで常備菜にもなる『ピクルス』もいいですね。お酢を使うことで、手軽に野菜をとることができ野菜不足が解消できるので、ぜひ野菜とあわせて食べて欲しいと思っています。

また、もっとお酢を気軽にとり入れるなら、お酢が入ったドリンク。お店でも気軽に手に入るから、上手に利用するのもいいですね」

Q5 先生が考える、お酢やお酢料理の今後の展開について教えてください。

お酢は酢飯や酢の物など昔から馴染みが深い調味料で、これからも日本人の食卓から途絶えることはないと思います。

今は販売されるお酢の種類も増え、酸味に強弱があったり原料や風味も様々で生活に取り入れやすくなりました。『バルサミコ酢』も家庭ではあまり使われていませんでしたが、最近は我が家でも買うようになりました。

お酢はどんなものにかけてもいい!切った野菜にかけたり、揚げ物にかけたり、煮物にかけたりなど、お酢の種類が増えたことで使い方も増え手軽に食卓に取り入れられるようになると思います。いろいろな種類のお酢の使い方を、もっと広げていきたいです」

撮影/小川 宏子

監修:東京慈恵会医科大学附属病院 栄養部課長 管理栄養士 濱裕宣先生

1988年佐伯栄養専門学校卒業後、東京慈恵会医科大学附属第三病院栄養部入職。分院を経て、2013年附属病院へ異動、現在に至る。