イメージ写真_管理栄養士_赤石定典先生_お酢のポーズ

管理栄養士が語るお酢のいいところ|ミネラル吸収UP

お酢が好きな酢好きさんのインタビュー連載。『疲れ知らずで病気にならない 名医が教える科学的に正しい食べ合わせ』(KADOKAWA)などの書籍監修やメディア出演で、患者さんへの栄養管理や栄養の重要性を広く伝えている管理栄養士の赤石先生に、お酢にまつわるお話をうかがいました。

Q1 お酢を好きになったきっかけを教えてください。

「気づいたらお酢が好きでしたね。生まれ育った家が築地から近かったので、お刺身を買いに行く機会も多く、酢飯を作ってお寿司にしていただいていました。なので、お酢は小さい頃からいつも食事で使っていました」

料理写真_小アジの南蛮漬け

Q2 お気に入りのお酢料理はありますか。

「『南蛮漬け』は我が家では定番のお酢料理ですね!昔、海の近くに住んでいたことがあって、その時によくハゼを釣っていました。自分で釣ったハゼを揚げて作る南蛮漬けは、とてもおいしかったですよ。

南蛮漬けは、揚げ物がベースですがお酢のおかげでさっぱりいただけますし、小さい魚なら骨ごと食べられるのがいいですよね。野菜もたっぷりとれ、お酢で保存性が高まるので、作り置きにも向いています」

Q3 お酢のどんなところが好きですか。

「第一に、おいしくて健康的!私は、お酢は弱点がない調味料だと思っています。砂糖なら取りすぎると血糖値、塩なら血圧が上がってしまうのですが、お酢はどちらでもないですよね。むしろ血糖値や血圧の上昇をおさえてくれます」

食材写真_軽量スプーンに入ったお酢

Q4 管理栄養士として、お酢の活用はどのように考えられていますか?

私が今、特に注目しているのは『ミネラルの吸収を助ける』というお酢の価値です。

ミネラルは、カルシウムやマグネシウムなどがよく知られていますが、骨や歯を形成したりする他にも、細胞の働きをスムーズにしてくれる役割もあるため、不足すると身体に不調となって現れることがあります。

また、日本人は特に不足しがちな栄養素のため、日頃から意識して摂りたい一つです。ただ、ミネラルは吸収率が悪いので、食べ方に工夫が必要です。その工夫の一つが、お酢と一緒にとることです。

ミネラルは『酸』に溶けるものが多いので、お酢を一緒にとることでミネラルの吸収率アップが期待できます。そんなミネラルを多く含む食材は魚介類ですね。すでにご紹介した南蛮漬けはミネラルを効率よくとるのに、ぴったりの料理。また、お酢で煮るのもいいですね。小魚だったら骨まで柔らかくなるので、丸ごといただけます。

また、魚介の缶詰もおすすめです。魚をもっと気軽に食べたいなら、缶詰を利用するのもいいですね。鯖缶やツナ缶の身をほぐし、お酢、さらに刻んだ玉ねぎを入れれば、それだけでおいしい一品ができあがりますよ」

Q5 先生が考える、お酢やお酢料理の今後の展開について教えてください。

お酢は、これからの人生100年時代において必須の調味料だと思っています。

取り入れやすさの提案として、甘みがあるけれど血糖値が上がらないオリゴ糖を使ったドリンクにお酢を入れたり、むせないような工夫がされているお酢を使ったりした食べ方が考えられるといいかもしれません。

お酢+様々な食品で、皆さんにおいしく健康になっていただきたいです」

撮影/小川 宏子

監修:東京慈恵会医科大学附属病院 栄養部係長 管理栄養士 赤石定典先生

1991年華学園栄養専門学校卒業後、東京慈恵会医科大学附属病院栄養部入職。分院を経て、2014年附属病院へ異動、現在に至る。『疲れ知らずで病気にならない 名医が教える科学的に正しい食べ合わせ』(KADOKAWA)などの書籍監修やメディア出演で、患者さんへの栄養管理や栄養の重要性を広く伝えている。