イメージ画像_お酢でダイエットチャレンジ

長引く外出自粛生活で気になる体重と疲労にお酢を 〜28日間お酢でダイエットチャレンジ結果報告〜

2020年末に「お酢でおいしさと健康を考える会」で行った「28日間お酢でダイエットチャレンジ」では、お酢を続けて摂ることで、体重が減少した人や疲労感が解消した人が多く見受けられました。本チャレンジの結果についてグラフとともに詳細を紹介。また、今回の結果から見えてくるお酢の可能性について、東京有明医療大学教授の川嶋朗先生と広島修道大学教授の多山賢二先生、二人の識者に話を伺いました。

【ポイント①】28日間のお酢摂取で参加者の64%が体重減少

この調査では、28日間お酢を継続して摂取しつづけた84名のうち54名(64%)の体重が減少しました。中でも、開始時にBMI(体格指数)の値が高かった人の体重減少が顕著でした。

※BMI(体格指数)kg/m2=体重(kg)÷(身長m)2
【BMI区分(日本肥満学会より)】18.5未満:低体重(やせ)/18.5以上25未満:普通体重/ 25以上:肥満

28日間で体重が減少した人の割合(n=84)

画像_28日間で体重が減少した人の割合のグラフ

体重変化別、調査開始時のBMIの分布(n=84)

画像_体重変化別、調査開始時のBMIの分布のグラフ

写真_川嶋先生川嶋先生

酢酸には脂肪の取り込みを抑える働きがあり、さらにお酢に含まれるアミノ酸に脂肪を燃焼しやすくする効果があり、運動による脂肪燃焼効率が上がるので、 当初より脂肪の多いグループの体重減少率が高かったのではないかと予想されます。

写真_多山先生多山先生

以前行われた肥満者(BMI25以上)のみを対象にした食酢摂取の臨床試験の結果が、普通の人にも当てはまることが今回示されたと思います。30代までが半数を占める集団でも、4週間の継続摂取を行うことで2/3の人に体重減少が認められたことの意義は大きいです。もう食酢は調味料・食品の範疇を超えたのかもしれません。

【ポイント②】体重が減った人は、朝食でのお酢摂取回数が多い傾向

体重が減少した方達は、ドリンクでのお酢摂取が多く、1日15ml以上のお酢を摂取している人が多いことがわかりました。摂取したお酢の種類の中で、体重が減少した方達と変化なし・増加した方達に差が見られたのは特に濃縮・嗜好飲料でした。

摂取タイミングで多かったのは朝食時と間食時。体重が減少した方達と変化なし・増加した方達で差が見られたのは、朝食時の摂取回数でした。また、お酢の摂取方法は、ドリンクであっても料理であっても、単純にお酢の摂取回数が体重減少に影響している可能性が示唆されました。このことから、手軽にお酢を摂り入れて1日15ml以上摂取することが体重減少につながると考えられます。

体重変化とお酢の摂取方法(n=84)

画像_体重変化とお酢の摂取方法のグラフ

※3パターン算出方法:ユーザごとのお酢食事写真から「料理」「ドリンク」それぞれの数をカウントし、比率を算出しています。「ドリンクと料理」は、ドリンクと料理の割合が50%ずつだったことを指しています。

体重変化とお酢の摂取方法(n=84)

画像_体重変化とお酢の摂取方法のグラフ

※対象者の分布を4分位(25%値、50%値、75%値)で示しています。 最小値、最大値を「|」で示しています。

 

体重変化と1日のお酢摂取量(n=84)

画像_体重変化と1日のお酢摂取量のグラフ

※お酢摂取量=実施調査期間のお酢摂取量合計÷投稿日数
※お酢摂取量の算出:お酢写真からその食事に含まれるお酢の量を管理栄養士が客観的に評価を行いました。

参加者のお酢摂取方法の例

朝食にお酢ドリンク

朝食時はリンゴ酢の出現頻度が高く、野菜ジュース・リンゴジュース・ヨーグルト・豆乳・牛乳と合わせることが多い様子が伺えました。朝食代わりとして、または朝食前に飲んでいる人も多くみられました。

画像_お酢ドリンク

人気は歯応えのある野菜を使ったお酢料理

お酢を使った料理では、根菜や歯ごたえのある野菜と組み合わせている方が多かったです。

画像_浅漬けとピクルス

高カロリー食にお酢のちょいがけ

体重減少した方達の食事記録からは、炭水化物・揚げ物・ラーメン・中華などカロリーも高いものにちょいがけしてお酢を摂取している様子が伺えました。

画像_高カロリー食にお酢をちょいがけ

【ポイント③】体重が減った人は、海藻の摂取が多い傾向

お酢を摂取する際、体重が減少した方達では、変化なし・増加した方達と比較して、海藻の摂取が多い傾向が見られました。これは市販のもずく酢を摂取する人が多かったことが影響していると考えられます。

体重変化と野菜・海藻の種類別の比較(n=84)

画像_体重変化と野菜・海藻の種類別の比較のグラフ

 

写真_川嶋先生川嶋先生

体重減少効果はお酢を飲めばよいというのではなく、運動による脂肪の燃焼効率を高めることに起因するので、これから動く朝の摂取に軍配が上がったのではないかと思われます。効果も容量依存の可能性がありますが、摂取の上限があるのかについてはさらなる検討が必要でしょう。

写真_多山先生多山先生

飲みやすくしたドリンク形態が、食酢摂取量を増やす最も簡便な方法であることを示唆しています。ただ摂取エネルギーの多い夕食時に意識して食酢を摂取する生活習慣は、体重増加を抑制する意味で重要であることには変わりないと思われます。継続して食酢30ml/日を摂取していただくと、より多くの人に体重減少を実感いただけるのでないかと思います。

【ポイント④】便秘・下痢気味だった人の64.7%が、お酢摂取後「お腹の調子が改善」

28日間のお酢の継続摂取によって、全体の47.6%の40名がお腹の調子が改善したと回答しました。もともと便秘・下痢気味だった人34人の中では、お腹の調子が改善した人が22名(64.7%)であり、お酢の継続摂取によりお腹の調子が良くなったことが見てとれます。

お腹の調子は4週間前と比べてどうですか?(n=84)

画像_お腹の調子の変移についてのグラフ

写真_川嶋先生川嶋先生

酢酸による腸管上皮の保護、また腸内の酸性環境で悪玉菌の増加が抑制されることからおなかの調子が良くなるのでしょう。

写真_多山先生多山先生

腸のぜん動運動を高める働きが酢酸にあることは明らかにされていますが、食酢中の酢酸は小腸上部までの部位でほぼ吸収されてしまうため、大腸の整腸作用が中心の、お腹の調子を整える機能は期待されていませんでした。しかし今回の結果から、もずく酢など“歯での咀嚼をほとんど受けない形の食物繊維に酢酸が包含されたもの”に、小腸の下部や大腸の環境を改善する可能性が出て来たように思えます。

【ポイント⑤】お酢の継続摂取でこころやからだの疲労感が改善

お酢の継続摂取により、全体の46.4%の方達が、こころの疲労感が改善したと回答し、からだの疲労感については全体の半数以上(67.8%)の方達が、改善したと回答しています。 お酢の継続摂取により体重が減少した方達では、こころの疲労感(54%)もからだの疲労感(85%)も改善したと回答している人の割合が多く、お酢の継続摂取による体重減少が疲労感の改善にも影響していることが考えられます。

こころ・からだの疲労感はチャレンジ開始前と比べてどうですか?(n=84)

画像_こころ・からだの疲労感はチャレンジ開始前と比べてどうですか?

参加者の声(一部抜粋)

画像_参加者のイメージ40代女性

この期間中に精神的にストレスのかかる事がありましたが、酢を積極的にとったことにより、疲労回復には効果があったと感じました。これからもお酢生活続けていきたいです。(体重変化-1.2kg)

画像_参加者のイメージ50代女性

お酢を摂るようになって感じたのは、疲労感をあまり感じなくなったことです。仕事で相応に疲れるんですが、以前のような疲労感とは違った感じがありました。これからも続けて行きたいです!(体重変化-0.5kg)

画像_参加者のイメージ30代女性

健康面への影響も半信半疑だったのですが疲労感の薄さ、とりわけ精神面への干渉にすごく驚き、今後も手軽な方法で酢を摂取したいと強く思いました。(体重変化-1.5kg)

体重変化とこころの疲労感(n=84)

画像_こころの疲労感の変化についてのグラフ

体重変化とからだの疲労感(n=84)

画像_からだの疲労感の変化についてのグラフ

写真_川嶋先生川嶋先生

酢酸によるグリコーゲンの再補充効果とクエン酸によるクエン酸回路の改善効果によるものと考えられます。からだの疲労はともかく、こころの疲労については、中医学(漢方医学)では五臓六腑のうち肝は怒の情動(現代医学的に言うとストレス)および酸味をつかさどるとされ、酸味を補うことによって怒の感情すなわちストレスコントロールができたと考えられます。

写真_多山先生多山先生

食酢による「こころとからだの疲労感の改善」は客観的な評価結果ではないものの、各個人の実感は無視できるものではありません。酢酸は利用されやすいエネルギー源であり、糖質との同時摂取は、空腹時の肝臓・筋肉中のエネルギー貯蔵物質(グリコーゲン)の急速補給をもたらすことが証明されており、適度な酸味は脳を刺激します。これらが自分の状況にフィットした人は、疲れの速やかな回復を実感した可能性があります。

簡単!今日からすぐ始められる、おすすめ酢ごもりレシピ

28日間のお酢摂取をサポートするために、チャレンジ期間中にお酢好き集まれー!Twitterなどでおすすめしていた、レシピをご紹介します。

野菜ジュースと黒酢のドリンク

写真_野菜ジュースと黒酢のドリンク

体をシャキッと目覚めさせるのに、朝起きたあとや朝食時に野菜ジュースにお酢を一杯入れたスッキリドリンクはいかがでしょう。「時間がない」「食べる習慣がない」という人にも、さっとできるドリンクは、健康習慣を身につけるのにピッタリなメニューです。

レシピが掲載されている記事はこちら

 

アレンジ多彩! 体がほっこり温まる「酢しょうが」

写真_アレンジ多彩! 体がほっこり温まる「酢しょうが」

簡単に作れて保存がきき、アレンジ多彩な「酢しょうが」。豆乳や牛乳などと合わせてホットドリンクやこれからの季節はソーダで割ってもおすすめです。お料理にも使える万能調味料です。

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「コーンポタージュ」に「黒酢」をちょい足し

写真_「コーンポタージュ」に「黒酢」をちょい足し

黒酢の酸味がコーンの甘みを引き立て高級感が増す味わいに。酸味が加わって、さっぱり食べやすくあとをひくおいしさに!味のメリハリもUPします。

アレンジが掲載されている記事はこちら

 

さらに、お酢と同時に食物繊維もたっぷり摂れる切り干し大根のレシピもご紹介。

切り干し大根で作る「はりはり漬け」

写真_切り干し大根で作る「はりはり漬け」

切り干し大根とお酢調味料に漬け込むだけで、あっというまにおいしく仕上がります。噛めば噛むほど素材のうま味も感じられ、ついつい箸が止まらなくなる一品です。

レシピが掲載されている記事はこちら

 

「28日間お酢でダイエットチャレンジ」とは

「28日間お酢でダイエットチャレンジ」は、

・お酢好きの方
・毎日LINEで写真・アンケートの回答、およびスタート時・終了時のアンケートにご協力いただける方
・20才以上の成人で、日本国内にお住まいの方

上記に該当する方の中から100名の参加者を募集し行われた「お酢でおいしさと健康を考える会」主催のチャレンジです。最終的に84名のお酢好きの方達がチャレンジを完走し、心身にさまざまな変化があったとの意見が寄せられました。

画像_大さじ1杯のお酢

【調査概要】調査対象者:日本人成人健常者(男女20歳〜60歳)でお酢健Twitterアカウントのフォロワー(お酢好き)の100名(最終84名)調査期間:28日間(2020年11月16日(月)〜12月13日(日))※全員が同日にスタート。調査内容:初回アンケートへ回答(基本属性等をヒアリング)/実施調査へ回答①お酢の摂取方法について提案し、毎日お酢(15ml)を摂取していただく ②調査実施前後の体重変化の報告、お酢摂取時の写真の提出/完了アンケートへ回答(実施後の健康意識、体調、嗜好の変化など)

監修:東京有明医療大学 保健医療学部鍼灸学科 教授 川嶋朗先生

1957年東京都生まれ。北海道大学医学部卒業後、東京女子医科大学入局。ハーバード大学医学部マサチューセッツ総合病院、東京女子医科大学附属青山自然医療研究所クリニック所長などを経て2014年4月より現職。近代西洋医学と代替・相補・伝統医療を統合した医療をおこない、生活の質を尊重した診療姿勢には、治療を受けた多くの患者からも共感と信頼が寄せられている。ベストセラーとなった『心もからだも「冷え」が万病のもと』(集英社新書)など著書多数。

 

監修:県立広島大学 多山賢二先生

1980年山口大学大学院農学研究科農芸化学専攻修士課程修了、1993年東京大学大学院にて博士号(農学)を取得。食品企業の研究員、短期大学の教授を経て、現職。主な研究テーマは酢酸菌の応用や食材の物性解析で、食酢および酢酸菌に関する著書・論文・特許・学会発表は多数。2007年日本農芸化学会技術賞受賞。NHK―BSプレミアムなどメディアでも活躍中。