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【肩こり解消法】血流UPでつらい「こり」とサヨナラ|体のこりの原因と対策

多くの人が悩む「肩こり・首こり」は、寒くなると悪化しがち。その原因のひとつが、血行不良と言われています。そこで今回は、総合内科医として循環器や生活習慣病まで幅広く精通している金沢医科大学の赤澤純代先生に、「肩こり・首こり」と血流の関係、その改善法について教えていただきました。

肩こり・首こりと血流の関係とは?

首から肩にかけての筋肉に痛みを感じる「肩こり・首こり」。その原因のひとつは、“血行不良”と“リンパ管の回収不全”と言われています。そのために起こる炎症(間質のむくみや筋膜の炎症・肥厚)などが原因の一つです。

「肩や首に痛みを感じる原因は、筋肉の緊張をはじめさまざまありますが、血行不良もそのひとつ。高血糖や脂質異常、運動不足による活動量の低下などが続くと、筋肉に血行不良が起こります。すると、その部分で炎症が起こり、痛みを感じる『こり』につながるのです。

血行不良とこりのメカニズム

 

さらに、筋肉内を流れている細い血管が、滞りやすい不安定な血管の場合、炎症をおこしやすく、老廃物や疲労物質の除去が滞り、環境が悪くなります。血管の形もきれいな円形ではなく、ひょうたんのように間延びした形になってしまいます。不摂生な生活を続けていると、血管の数が健康な人よりも少なくなる場合も。

また、リンパ管の回収不全も原因のひとつ。リンパ管は内臓や皮膚などあらゆるところに張り巡らされていて余分な水分や老廃物を回収する働きがあります。運動や呼吸などによって動きが促されますが、運動不足や同じ体勢で長時間いる、ストレスを感じるなどで筋肉の働きが不十分だと、循環が乱れて凝りやむくみの原因となります」

 

血行不良の主な原因は、運動不足と食生活!

血流を作り出しているのは、心臓と筋肉です。心臓から送り出された血液は、筋肉のポンプ機能と静脈にある弁機能により、一方向で心臓に戻っていきます。だから運動不足などにより筋力が低下してしまうと、抹消の血液が心臓に戻らず循環機能も低下してしまうのです。

また食生活は、血液そのものだけでなく、血管の健康状態にも関係します。

「とくに重要なのが、油の摂り方です。油は、肉の脂、魚の脂、植物性の油の3つに分けられます。なるべく控えたいのは、牛脂やラードなど肉の脂。摂りすぎると動脈硬化の原因にもなります。

魚の脂と植物性油は、オメガ3系脂肪酸、オメガ6系脂肪酸、オメガ9系脂肪酸に分類されます。このなかで控えたいのがオメガ6系脂肪酸。オメガ6系脂肪酸の油は、摂りすぎると血栓を作りやすく、体内でアラキドン酸になるため炎症が起こりやすいと言われています。油を使うなら、オメガ3系脂肪酸とオメガ9系脂肪酸をバランスよく取り入れるようにしましょう」

摂りすぎには注意「オメガ6系脂肪酸が多い油」…リノール酸(サラダ油、コーン油、紅花油、綿実油 など)

意識的に摂りたい「オメガ3系脂肪酸が多い油」…EPA、DHA、α-リノレン酸(青魚、大豆製品、くるみ、亜麻仁油、エゴマ油など)

意識的に摂りたい「オメガ9系脂肪酸が多い油」… オレイン酸(オリーブオイル、アボカド、アーモンドなど)

※体に良い油でも、1gで9kcalあるので摂りすぎに注意しましょう。肥満の原因となったり、植物油でも摂りすぎると動脈硬化などの一因になります。適量の油を摂る中で、オメガ3系の油、オメガ9系の油の割合を多くするように意識しましょう。

「とくにオメガ3系脂肪酸は柔軟な細胞を見出す材料になると言われているので、赤血球膜の流動性を良くして赤血球が変形しやすくなり、細いところも通れるように。毛細血管内皮と赤血球が擦れることで酸素交換が起こり、より体の隅々まで酸素を届けやすくなるのです」

細胞の酸素交換がきちんと行われると筋肉の血行不良も改善されるため、肩こり・首こりにも効果的なのです。

他にもいろいろ!肩こり・首こり解消法

1.ストレッチ

「肩から肩甲骨、首、頭をほぐしてあげると、上半身の血行が良くなります。気づいた時にこまめに動かしてあげて。顔まわりの血流を良くすることも大切です。なぜなら、顔のむくみも改善しやすくなり、肩こりや美顔の近道になります」

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肩をグーッと上げ、ストンと下ろす。

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手を肩にのせ、水平に背骨を回転させる。そのまま肩を後ろに10回、前に10回まわす。肩甲骨が動くように意識して。

「肩甲骨がうまく動いていると、背中の血流が良くなります。背中には実は脂肪分を燃焼させる作用のある褐色脂肪があり、ここの血流環境を維持することがポイントです」

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首を左右、前後にストレッチ。(めまいのある人は控えてください)

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親指を耳裏の骨のくぼみに当て、耳周りに残りの4本指を当てて小さくまわしながらほぐす。

2.首、耳をあたためる

「筋肉は冷えると収縮して、血管も縮まってしまいます。肩こり・首こりなら、まずは周辺の筋肉を温めて。首周りは冷えないようにスカーフやストールを常備。素材はコットンや絹がおすすめです。ポリエステルは汗をかくと冷えるので避けて。

また首の筋肉とつながる耳も冷やさないほうがベター。耳に触って冷たいところがなければ循環がスムーズな状態。逆に冷たい場合は、交感神経が優位で血管が収縮し血流が悪くなっているかも。耳当てなどで温めてあげると、背中まで楽になります」

3.マッサージ

「セルフマッサージでも効果はありますが、他人の手によるマッサージはより有効。誰かに体をなでられると、”幸せホルモン”とよばれるオキシトシンやセロトニンを活発に分泌すると言われています。するとストレスが和らぎ、血流も良くなるのです。

自分で行う場合は、柔らかいブラシで全身をさすってあげるのもおすすめ。ブラシがない場合は手のひらでもOK。オイルなどは使わず、皮膚に軽い刺激を与える”触覚”を意識しながら、手足の指先から心臓に向かって全身をさすって血流をつくりましょう」

ペアマッサージ
イメージ図_マッサージ

肩甲骨と背骨の間をゆるめるマッサージ。マッサージされる人は両手を上げてうつぶせになり、もう1人が寝ている人の肩と腰を横から交互に押して全身が転がるようにゆらす。力を抜いてされるがままになっていると、自然と昆布のようにゆらゆらとハチの字にゆらぐように。その後、印部分をもみほぐすと、さらに効果的。

4.血行促進効果のある食事をとる

「ビタミンEには血行促進効果があります。くわえてビタミンB群をバランス良くよくとってあげましょう。とくに肩こりには、ビタミンB1、2、6、12がおすすめ。ビタミンB1は糖質の代謝を助け、B2は脂質の代謝に効果的。B6と12は赤血球に関与し、神経痛に効果があります」

ビタミンE… ナッツ類、アボカド、卵、うなぎ、大豆、オリーブオイル、全粒穀物 など

ビタミンB1… 豚肉(とくに赤身)・魚・穀類・きのこ・豆類・種実類 など

ビタミンB2… 魚やレバー、牛乳・乳製品、卵などの動物性食品、キノコ、納豆 など

ナイアシン(ビタミンB3)… かつお、まぐろ、鶏肉、豚肉、きのこ類 など

ビタミンB6…まぐろ、かつお、にんにく、バナナ など

ビタミンB12… 動物性たんぱく質食品 など

「食品では、お酢もいいですね。お酢をとるなら手羽先や手羽元などと合わせるのがおすすめ。骨離れが良くなり、食べやすくなります。また、鶏皮に含まれるコラーゲンは健康的な血管づくりに欠かせません。ビタミンE、B類の食材と合わせて、お酢煮込みにしてもいいと思います」

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<コラム>お酢を飲んだ閉経後の女性の血流がアップ!

閉経後の女性10名を、酢酸を含む飲み物(食酢)を飲むグループと、酢酸をほとんど含まない飲み物を飲むグループに分けて調査開始。4日間朝食で指定の飲み物を飲んでもらい、4日目に血流量を計測。すると食酢を飲んでいたグループのほうが、1.5倍以上血流量がアップしたという結果が!食酢の摂取には、血流の促進が期待できるとわかりました。

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文/山本二季
イラスト/伊藤 絢

監修:金沢医科大学 総合内科 女性総合医療センター長、総合内科臨床教授 赤澤純代先生

金沢医科大学医学部、金沢医科大学大学院卒業。東京大学第三内科研究医を経て、東京大学先端技術研究所ゲノムサイエンス派遣研究員、2002年3月に石川県で初の女性外来を総合診療科にて開設。金沢医科大学病院21世紀集学的医療センター、生活習慣病センター、助手、講師を経て、2018年女性総合医療センターセンター長 総合内科臨床教授となる。著書に『温め、流し、排出する この3段階で若返る!血流美人』(ワニブックス)、『破れない!詰まらない!澄み切った血液は万病を治す』(ワニブックス)など。

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