

万能調味料!二杯酢・三杯酢の黄金比
二杯酢・三杯酢という言葉を聞いたことはありませんか?これらは調味酢(合わせ酢)の代表格。特に、酢の物をはじめとする和食に欠かせない調味料です。「なんとなく難しそう…」「気軽に料理に取り入れられなさそう…」と思われがちな二杯酢・三杯酢ですが、家庭によくある調味料を混ぜるだけで作れて、とっても簡単。しかも、どんな料理にも合う万能調味料なのです。お酢に詳しい料理研究家の重信初江さんに、二杯酢・三杯酢の魅力について、教えてもらいました。
ノンオイルドレッシングとしても使える優れもの
二杯酢・三杯酢は、酢の物に使われる調味料としてよく知られています。けれど、酢の物を毎日食べるという家庭は少ないのではないでしょうか?実は二杯酢・三杯酢は酢の物以外にも、いろいろな料理に使える“万能調味料”だということは、あまり知られていません。
重信さんに使い方を伺うと「焼いたパプリカにさっとかけたり、蒸したブリにかけたりしてもおいしいですよ。基本的にどんな食材・料理にも合います」とのこと。ぴたっと味が決まるので、味付けに失敗しないのも魅力。意外にも、特に脂っこい料理にぴったりだといいます。
「お子さんが好む、から揚げ、ハンバーグなどの料理にもおすすめです。お酢の酸味でさっぱりと食べられます。サラダにも手作りのノンオイルドレッシングとして使えます。脂質や塩分が抑えられて、ヘルシーに食べられますよ」(重信さん)
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二杯酢・三杯酢の黄金比とは?
二杯酢は、お酢にしょうゆや塩、ときにはだし汁や水を加えて混ぜ合わせた調味酢のこと。三杯酢はしょうゆと砂糖(またはみりん)を加えた、少し甘みのある調味酢です。一概に二杯酢・三杯酢といっても、レシピによって調味料の比率や使う調味料が少しずつ異なります。それには重信さん曰く、理由があるそうです。
「二杯酢は甘みがないのでキリッとした味に。三杯酢は酸味が抑えられ、コクがあります。どちらがこんな料理に合うということはないので、好みで使い分けをするといいと思います。基本的な調味料はお酢としょうゆになりますが、そこに塩を加えると味が引き締まりますし、水やだし汁を加えると味がまろやかになります。和食店では鍋で煮立たせて酸味を飛ばし、上品な味に仕立てています」(重信さん)
いろいろな調味料の配合や作り方がある二杯酢・三杯酢ですが、家庭で作りやすい黄金比を教えてもらいました。
キリッとした味わい!
重信さんが考える、二杯酢の黄金比
お酢 しょうゆ 水
3 : 1 : 1.5
まろやかな味わい!
重信さんが考える、三杯酢の黄金比
お酢 しょうゆ 砂糖 水
3 : 1 : 1 : 1.5
重信さんが愛用しているお酢は純米酢。穀物酢に比べ、味がまろやかでコクが出るそうです。水を加えることで酸味がやわらぎ、お酢が苦手な人でも食べやすくなります。
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今晩いかが?二杯酢・三杯酢を使ったキホンのレシピ
重信初江さんに二杯酢・三杯酢を使ったキホンのレシピを教えてもらいました。あと一品欲しいとき、さっと作れて簡単。ぜひ、お試しあれ。
きゅうりの二杯酢がけ
材料(2人分)
- きゅうり……2本
- 塩……小さじ1/3
- <二杯酢>
- 酢……大さじ1
- しょうゆ……小さじ1
- 水……大さじ1/2
栄養価(1人分)
-
- エネルギー 18kcal
- たんぱく質 1.2g
- 脂質 0.1g
- 炭水化物 3.4g
- 食物繊維 1.1g
- 食塩相当量 0.9g
作り方
1. きゅうりを小口切りにし、ボウルに入れて塩を振って混ぜ、約15分置きます。
2.きゅうりを軽く揉んで水気を絞ります。
3.器にきゅうりを盛り、二杯酢の材料を混ぜ合わせてかけます。
大根の三杯酢がけ
材料(2人分)
- 大根……300g
- 塩……小さじ1/3
- <三杯酢>
- 酢……大さじ1
- しょうゆ……小さじ1
- 砂糖……小さじ1
- 水……大さじ1/2
栄養価(1人分)
-
- エネルギー 33kcal
- たんぱく質 0.8g
- 脂質 0.2g
- 炭水化物 8.1g
- 食物繊維 2.0g
- 食塩相当量 0.8g
作り方
1.大根を厚さ2〜3mmのいちょう切りにし、ボウルに入れて塩を振って混ぜ、約15分置きます。
2.大根を軽く揉んで絞ります。
3.器に大根を盛り、三杯酢の材料を混ぜ合わせてかけます。
ポイント
三杯酢を作るときは、砂糖が溶けるまで、酢、水と混ぜ合わせましょう。
撮影/梁瀬 岳志
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