イメージ写真_甘酢だれレシピ

【きほんの甘酢だれ】酢豚だけじゃない!ワタナベマキさん流 甘酢だれレシピ

ほんのり甘みのある「甘酢だれ」は、お酢が苦手な人でも食べやすいのが魅力。でも甘酢だれを使った料理のバリエーションが思い浮かばない…という声も。そこで料理家のワタナベマキさんに、甘酢だれを使ったアレンジレシピを教えてもらいました。お酢好きなワタナベさん流の甘酢だれの黄金比と合わせてチェックしてみてくださいね。

ワタナベマキさん流「甘酢だれ」の黄金比と基本レシピ

ワタナベさんが「甘酢だれ」作りに使う材料は、酢、みりん、酒、しょうゆ。

「砂糖や水を使うレシピも多いと思いますが、私はみりんと料理酒を使っています。みりんは甘みとコク、お酒は旨みがアップ!砂糖を使わないので、仕上がりはさっぱりとした味わいです。最近の野菜はすごく甘いので、このレシピなら調味料の甘みに頼らず、素材の味を楽しめると思いますよ」(ワタナベさん)

料理写真_甘酢だれ

ワタナベさんが考える甘酢だれの黄金比

お酢(大さじ1):みりん(大さじ2):(大さじ1):しょうゆ(大さじ1)

「砂糖を使わない分、みりんの甘みが出るように比率を考えました。大さじだけで作れるし、覚えやすいですよね。料理酒を使っているので、調理の過程で煮立たせてアルコールを飛ばしてください。今回はベースに米酢を使っていますが、煮立たせるのでどんなお酢でもOK。お酢が変わると味がガラッと変わるので、いろいろ試して楽しんでください」(ワタナベさん)

調理工程_甘酢だれを作っている様子

「このレシピは水が入っていないので、加熱前でも保存可能。冷蔵庫で保存して、使うときに加熱してください。加熱前でも加熱後でも、冷蔵庫なら一週間程度は保存できると思いますよ」(ワタナベさん)

家族みんなが食べやすい、酸っぱさを抑えるコツ

甘さ控えめのワタナベさんの甘酢だれレシピ。お酢が苦手な人や子どもにも食べやすくする方法を教えていただきました。

「お酢は加熱すると酸味が飛んでまろやかになるので、このレシピは酸味が苦手な人にもおすすめです。子ども向けに甘さをプラスするなら、ケチャップやはちみつを大さじ1程度加えてあげると酢豚のような味わいになります。黒酢はツンとした香りが少なめ。料理の味も深くなるのでおすすめです」(ワタナベさん)

バリエーション広がる!「甘酢だれ」アレンジレシピ

似たような料理になりがちな甘酢だれ。そこでお酢好きのワタナベマキさんに、アレンジレシピを教えてもらいました。

「甘酢は肉や魚にも合いますし、根菜にも葉物野菜にもぴったり。一度沸騰させた甘酢だれは、南蛮漬けや野菜の焼きびたしのたれとしてもおすすめです。しょうがやにんにく、ごまなど、薬味なら何でも合うので、お好みで変化をつけて楽しんでくださいね」(ワタナベさん)

鶏団子とかぶの甘酢あん

「甘酢だれは油との相性がバツグン!合わせるとすごくおいしいんです。今回はかぶを使っていますが、火が通りやすい野菜やきのこなら何でも合います。季節の野菜で作ってみてください」(ワタナベさん)

料理写真_鶏団子とかぶの甘酢あん

材料(作りやすい分量・2人分)

  • 玉ねぎ……1/3個
  • かぶ……2個
  • かぶの葉……1個分
  • しょうが……1かけ
  • 酒……大さじ1
  • 水……50ml
  • ごま油……小さじ2
  • 基本の甘酢だれ……全量(お酢大さじ1:みりん大さじ2:酒大さじ1:しょうゆ大さじ1)

A(鶏団子)
鶏ひき肉(もも)……150g
玉ねぎ……1/3個(みじん切り)
片栗粉……大さじ1
酒……大さじ1
塩……小さじ1/4

B(とろみ付け)
片栗粉……小さじ2
水……小さじ2

食材写真_鶏団子とかぶの甘酢あんの材料

栄養価(1人分)

    • エネルギー 329kcal
    • たんぱく質  15.6g
    • 脂質 14.9g
    • 炭水化物 27.7g
    • 食物繊維 3.7g
    • 食塩相当量 2.2g

作り方

1.玉ねぎは縦薄切りにする。かぶは皮をむかずに8等分のくし切り、かぶの葉は長さ2cmに切る。しょうがは千切りにする。

2.Aを粘りが出るまでよく混ぜ、6等分にして鶏団子を作る。

3.フライパンにごま油を入れて中火にかける。しょうがを入れ香りがたったら鶏団子を入れる。焼き目がついたら裏返し、玉ねぎとかぶを加える。

調理工程_鶏団子とかぶの甘酢あん調理1

4.玉ねぎがしんなりしたら酒と水、基本の甘酢だれを加える。ひと煮立ちさせたら弱火にし、蓋をして5分煮る。

調理工程_鶏団子とかぶの甘酢あん調理2

5.4にかぶの葉を加えてなじませたら火を止める。合わせたBを加えて中火にかけ、とろみがつくまで煮立たせる。最後にごま油少々(分量外)を加える。

めかじきの竜田揚げ~たっぷりキャベツのせ~

「煮立たせた甘酢だれをキャベツにかけると半生の状態に。しんなりするので野菜がたっぷり食べられます。キャベツ以外ではきゅうり、さらし玉ねぎ、サニーレタスなどもおすすめ。めかじきの竜田揚げは、さばやさわらを竜田揚げにしたり、揚げ物にせず蒸し鶏などに変えてもOK。野菜とたんぱく質が一緒に摂れます」(ワタナベさん)

料理写真_めかじきの竜田揚げ~たっぷりキャベツのせ~

材料(作りやすい分量・2人分)

  • めかじき……2切れ
  • キャベツ……120g(約1/4玉)
  • 青じそ……4枚
  • 塩……少々
  • 揚げ油……適量
  • 基本の甘酢だれ……全量(お酢大さじ1:みりん大さじ2:酒大さじ1:しょうゆ大さじ1)

A(揚げ衣用)
片栗粉……大さじ1
薄力粉……大さじ1と1/2

食材写真_めかじきの竜田揚げ~たっぷりキャベツのせ~材料

栄養価(1人分)

    • エネルギー 275kcal
    • たんぱく質  17.5g
    • 脂質 11.9g
    • 炭水化物 21.5g
    • 食物繊維 1.3g
    • 食塩相当量 1.5g

作り方

1.キャベツと青じそはそれぞれ千切りにする。

2.めかじきは表面の水気をふき、4等分に切り塩をふる。

3.2に合わせたAをまぶし、170℃に温めた揚げ油でカリッと色づくまで4分ほど揚げ、油を切る。

4.基本の甘酢だれを小鍋に入れ、中火でひと煮立ちさせる。

調理工程_めかじきの竜田揚げ調理の様子1

5.ボールにキャベツを入れ4を加えて和え、千切りにした青じそを加えて軽く和える。

調理工程_めかじきの竜田揚げ調理の様子2

6.器に3を盛り、5を汁ごとかける。

「甘酢だれは冷めてもおいしいので、作り置きにも◎。季節に合わせて素材やお酢を変えて、好きな組み合わせを探してみてください。お酢は酸味を感じない程度に使うだけでも、料理の味に深みやコクが出ます。小さじ1杯でグッとおいしくなるので、ぜひ毎日の料理に取り入れて欲しいです」(ワタナベさん)

文/山本 二季
撮影/梁瀬 岳志

料理家 ワタナベマキさん

グラフィックデザイナーを経て、料理家に転身。”日々食べるものを美味しく丁寧に”の想いのもと提案する、旬の食材を生かした料理や保存食、乾物料理に定評あり。雑誌や書籍、イベントなど幅広く活躍している。著書に『わたしの好きなお酢・レモンの料理』(家の光協会)、『ワタナベマキの梅料理』(NHK出版)など多数。