ひな祭りにおすすめ!ちらし寿司|ひな祭りに食べる由来とは?

3月3日ひな祭りには、なぜちらし寿司を食べるのか、由来やそれぞれの食材に込められた意味とは? ひな祭り気分を盛り上げる華やかなちらし寿司や手まり寿司レシピもご紹介します。

ひな祭りにちらし寿司を食べる理由とは?

画像_ひな人形

ひな祭りの起源は諸説ありますが、もともと3月3日は中国から伝わった五節句のうちの一つで「上巳の節句」でした。

江戸時代に幕府が「上巳の節句」である3月3日を祝いの日に定め、雛人形を飾ってひな祭りの行事を城中で公式に行うことになったのがはじまりといわれています。[1]

当時はまだ武家や貴族だけのお祝いで、一般家庭でもお祝いするようになったのは明治以降とのことです。

旧暦の3月3日(現3月下旬〜4月上旬頃)は、ちょうど桃の花が美しく咲く時期にあたり、病気や災難を寄せ付けない木とされる「桃」と嫁入り道具である「雛人形」が結びついて、女の子の健やかな成長を願う「桃の節句」ともいわれるようになりました。

ではなぜ、ちらし寿司を食べるようになったのか。

ひな祭りにちらし寿司を食べるようになったのは大正時代以降といわれています。
華やかな見た目と、それぞれの具材に込められた意味から縁起の良い、女の子のお祝い事にふさわしい食べ物として広まったと考えられています。

<ちらし寿司の具材と意味>
・れんこん……穴があいていることから、遠くまで(将来の)見通しがきくように
・錦糸卵……鮮やかな黄色から、お金、財宝が貯まるように
・海老……腰が曲がるまで長生きするように
・絹さや(豆)……まめに(丈夫で健康に)生きられるように

きほんの五目ちらし寿司レシピ

画像_きほんの五目ちらし寿司

甘辛く煮たれんこん、しいたけ、にんじんなどを混ぜ込んだ、昔ながらの五目ちらし。
海老、錦糸卵、絹さや(豆)を飾って華やかに。

材料(4人分)

ご飯(少し硬めに炊く、昆布を入れてもよい)……600g(2合分)
干ししいたけ……2枚(3g)
水(干ししいたけ用)……120ml
れんこん……60g
にんじん……60g
板こんにゃく(アク抜き不要)……40g
たけのこ水煮……50g
Aしょうゆ……大さじ1(18g)
Aみりん……大さじ1(18g)
A酒……大さじ2(30g)

【すし酢】
酢……大さじ4(60ml)
砂糖……大さじ2と2/3(24g)
塩……小さじ1(6g)

【錦糸卵】
卵(Mサイズ)……2個(100g)
砂糖……小さじ2/3(2g)
サラダ油……大さじ2/3(8g)

【トッピング】
絹さや……4枚(8g)
蒸しえび(サラダえび)……60g
白ごま……小さじ1(3g)

作り方

1.干ししいたけは、水に入れて戻します。時間がない場合は、耐熱容器に入れて、電子レンジ(600w)で1分半加熱して戻します。

2.ボウルに卵を割りほぐし、砂糖を加えて混ぜます。

3.フライパンを中火にかけ油をひき、2〜3回に分けて薄焼き卵を作り、粗熱がとれたら細切りにして錦糸卵を作ります。

4.戻したしいたけは軸を取って薄切りに、れんこんは厚さ2mmのいちょう切りします。たけのこの水煮は細切りにします。しいたけの戻し汁は取っておきます。

5.こんにゃくは長さ2cmの短冊切りに、にんじんは長さ2cmの拍子木切りにします。絹さやはゆでて細切りにします。

6.鍋にれんこん、にんじん、しいたけ、戻し汁を入れて中火にかけ、沸騰したらアクを取ります。Aを加え、汁けがなくなるまで煮詰めます。

7.すし酢を合わせておきます。ごはんが温かいうちにすし酢を加え、しゃもじで切るように混ぜます。

8.6の粗熱がとれたら、7の酢飯と合わせて、器に盛ります。錦糸卵、絹さや、蒸しえびを彩りよく盛り、ごまを振ります。

栄養価

エネルギー 378kcal
たんぱく質 11.2g
脂質 5.5g
炭水化物 70.6g
食物繊維 4.0g
食塩相当量 2.4g

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お手軽!カラフル カップ寿司レシピ

画像_カップ寿司

市販の厚焼き卵やカニカマを使って、手軽に作れます。カップに盛るのは、ぜひお子さんとご一緒に。

材料(2人分)

温かいごはん……200g

【すし酢】
酢……大さじ1と1/3(20g)
砂糖……大さじ2/3(6g)
塩……小さじ1/6(1g)

【トッピング(お好みで)】
かに風味かまぼこ……2本(30g)
だし巻き卵(市販品)……30 g
きゅうり……20g
蒸しえび(生食・サラダ用)……30g
いくら(あれば)……小さじ1(6g)

しょうゆ……小さじ1(6g)

作り方

1.すし酢を合わせておきます。ボウルに温かいごはんを入れて、すし酢を回しかけ、しゃもじで切るように混ぜます。

2.かに風味かまぼこ、だし巻き卵、きゅうりは1cm角に切ります。

3.カップに1の酢飯を半量入れ、2の半量を散らします。その上に残りの酢飯を詰めます。

4.上に、2の残りを彩りよくのせ、上に蒸しえびと、あればいくらを飾ります。食べる際に、しょうゆを垂らしていただきます。

栄養価

エネルギー 228kcal
たんぱく質 10.3g
脂質 2.3g
炭水化物 42.7g
食物繊維 1.7g
食塩相当量 1.6g

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ラップを使って手軽に 雛人形手まり寿司レシピ

見た目もかわいく、華やかな手まり寿司。ラップで握れば、お子さんでも作れます。お好みの具材でアレンジも可能です。

画像_雛人形手まり寿司

材料(2人分・10個分)

温かいご飯……300g

【すし酢】
酢……大さじ2(30g)
砂糖……大さじ1(9g)
塩……小さじ1/6(1 g)
お刺身……まぐろ2枚(20g)
サーモン……2枚(20g)
貝割れ菜……2g
練りわさび……小さじ1/3(2g)

【お内裏様とお雛様】
かに風味かまぼこ……15g
きゅうり……20g
塩(きゅうり用)……0.4 g
焼き海苔……1/6枚(0.5g)
砂糖……小さじ1/2 (1.5g)

【お花2種】
卵(Mサイズ)……1個(50g)
油……小さじ1/2(2g)
いくら……小さじ1(6g)
きゅうり……20g
梅肉……1g

しょうゆ……小さじ1(6g)

作り方

1.ボウルに卵を割りほぐし、砂糖を加えて混ぜます。フライパンを中火にかけて油をひき、2回に分けて薄焼き卵を作り、粗熱がとれたら細切りにして錦糸卵を作ります。

2.お内裏様用のきゅうりは、ピーラーでリボン状にし、塩を振っておきます。お花用もきゅうりは輪切りにします。

3.かに風味かまぼこはほぐしてシート状にしておきます。

4.すし酢を合わせます。温かいご飯にすし酢を加え、しゃもじで切るように混ぜ、酢飯を作ります。10等分にして軽く丸めます。

5.ラップの上に寿司ネタ(まぐろ、サーモン、きゅうり、錦糸卵)、酢飯の順に乗せて丸く包み、器にのせます。

6.サーモンの上に貝割れ菜、まぐろの上にわさび、きゅうりの上に梅肉、卵の上にいくらを飾ります。

7.お内裏様とお雛様は、着物のようになるよう斜めにそれぞれきゅうりとカニかまを交互に重ねご飯を半分覆うようにして包みます。

8.7.のご飯が見えている部分に、目や鼻などパーツを海苔で作り、顔をつけます。錦糸卵で笏(しゃく)や扇子を作ってもかわいく仕上がります。

栄養価

エネルギー 358kcal
たんぱく質 13.7g
脂質 6.2g
炭水化物 63.5g
食物繊維 2.6g
食塩相当量 1.6g

<コラム>東西で違う!?ちらし寿司とばら寿司

画像_備前ばら寿司

※写真:備前ばら寿司

ちらし寿司、実はそれぞれの地域で違いがあるようです。
関東でちらし寿司といえば一般的に酢飯の上に、海鮮や具材がのっている(ちらしている)寿司を指します。

1人前ずつ盛り付けられていることが多いのも特徴です。一方、関西でちらし寿司といえば酢飯に甘辛く煮たれんこんやしいたけなどの具材を混ぜ込み、上に錦糸卵や海老などの縁起のいい食材をのせたもの。
大皿に盛られ、取り分けるスタイルなのも関東との違いでしょう。関西では「ばら寿司」「混ぜ寿司」「五目寿司」などとも呼びます。

岡山県につたわる「備前ばら寿司」は、混ぜ込む具材は大きめで上には贅沢な魚介や数多くの食材がのり、日本一豪華なちらし寿司ともいわれています。発祥は江戸時代にまで遡ります。当時、備前岡山藩主であった池田光政公が領民の日常の食事は質素倹約なものにするよう(「食膳は一汁一菜にせよ」という)倹約令を施行しました。庶民たちは制約を守りながらも、おいしいものを食べたいと寿司桶の底に、魚介や野菜を敷き詰め、上にしいたけや干瓢、錦糸卵などの具材をのせて素朴な寿司に見せ、食べるときにひっくり返して混ぜて食べていたのが由来とされています。

京都府丹後地方につたわる「ばら寿司」は甘辛く煮たサバを細かくほぐしたもの(サバのおぼろ)を使うのが特徴。ばら寿司といえど具材を酢飯に混ぜ込むのではなく、 “まつぶた”と呼ばれる浅い木箱に、すし飯を敷き、その上に、サバのおぼろ、しいたけ、錦糸玉子などを重ね、切り分けて食べます。地元では正月やお盆など「ハレの日」に食べるご馳走として根付いている郷土料理です。

[1]雛祭り起源考 ひな祭り文化普及協會

レシピ開発・監修 おいしい健康管理栄養士