世界のうまずっぱい料理|おもてなしメニュー

新しいおいしさに出会う「世界のうまずっぱい料理」おもてなしメニューのご紹介です。台湾、フィリピン、タイ、トルコなど各国のお酢を使った郷土料理をおたのしみください。

台湾|檸檬ケーキ

国の名前と料理名_台湾

メイン写真_檸檬ケーキ

檸檬蛋糕(レモンケーキ。檸檬餅とも)は台湾中部の都市・台中に戦前からあった、
鳳梨酥(パイナップルケーキ)と並ぶ、定番のお土産。レモンをそのままかたどって
製菓用のコーティングレモン(またはホワイトチョコ+レモンパウダー)でくるんだかわいらしいお菓子で、
さまざまなメーカーが味を競っています。
台湾では鳳梨酥よりも人気があるといい、日本でも昭和の時代に流行したことがありました。

檸檬蛋糕は焼きたてがおいしく、もちろん家庭でも作ることができます。
たまごや牛乳、小麦粉に、レモンジュース+レモンの皮を加えます。
はちみつやメープルシロップ、チョコレートを使ったバリエーションもあります。

ここでは砂糖を控えめにする代わりに、ぼやけた甘味を補って酸味で風味のバランスを取るために、
生地とコーティングにりんご酢を加えました。
りんご酢の力で、コーティングレモンがレモンにより近いさわやかな甘酸っぱい味わいに変身します。

文字_檸檬ケーキ

料理写真_檸檬ケーキ

文字_材料

文字_生地

  • たまご…3個
  • グラニュー糖…75g
  • 塩…少々
  • 小麦粉(薄力粉)…140g
  • ベーキングパウダー…小さじ1/2
  • 牛乳…65ml
  • レモンの皮…1個分(すりおろしておく) 
  • レモンジュース…大さじ1
  • りんご酢…大さじ1
  • バター…20ml(溶かしておく)

文字_コーティング

  • 製菓用のコーティングレモン…200g
    (ない場合はホワイトチョコ レモン・パウダーまたはレモンの皮を使用)
  • りんご酢…小さじ 

  • ※レモン型…4~6つ
    (ないときはレモン1個をアルミホイルで包んでかたどって作る)

文字_作り方

文字_数字1

料理写真_1

ボウルにたまごを入れて割りほぐし、グラニュー糖を少しずつ入れながらハンドミキサーでたまごが白っぽくなるまで練る。

文字_数字2

料理写真_2

別のボウルに小麦粉、塩、ベーキングパウダーを入れて混ぜ合わせる。

文字_数字3

料理写真_3

①に牛乳、レモンの皮、レモンジュース、りんご酢を入れて混ぜ、さらに②を少しずつ入れてさっくり混ぜる。

文字_数字4

料理写真_4

レモン型にバターを塗り、ひとつずつ③を注ぎ入れていく。170度に予熱したオーブンで15分程焼く。中まで火が通っているか竹串を刺して確認し、必要あればオーブンに戻してさらに焼く。型から外し、粗熱を取っておく。

文字_数字5

料理写真_5

コーティングを作る。お湯を沸かしてボウルに入れ、小さなボウルに入れたコーティングレモンを湯煎して溶かす。湯煎したままりんご酢を加えて混ぜる。

文字_数字6

料理写真_6

④をフォークで刺し、⑤のコーティングレモンに表面をひたす。表面が固まるまで冷ます。

文字_ポイント

ニューカレドニア| パイナップル・タルト

国の名前と料理名_ニューカレドニア

メイン写真_パイナップルタルト

南太平洋に浮かぶ「天国に一番近い島」ニューカレドニア。
世界最大規模の美しい珊瑚礁がユネスコの世界自然遺産に登録され、魅力的なリゾート地としても知られる
フランスの海外領土です。同じくフランスの海外領土であるタヒチとともに香り高いバニラが特産品で、
食文化は本国フランスや近隣のインドネシアなどの影響を受けています。

「パイナップル・タルト(タルテ・ア・ララナス)」は、地元のカレドニア人の間でよく知られている、
輪切りパイナップルがかわいいタルト。りんごを使ったフランスのタルトタタンを南国風にしたようなお菓子です。
型の中にカラメルとパイナップルを敷きつめ、その上からタルト生地をかぶせて焼き、
ひっくり返してパイナップルの部分を上にして食べます。

ここでは、砂糖を減らした分、りんご酢を加えてパイナップルの甘酸っぱい味に
メリハリをきかせたレシピをご紹介します。

 

料理写真_パイナップルタルト

文字_材料

文字_カラメル

  • グラニュー糖…60g
  • パイナップルの缶詰のシロップ…40ml

文字_生地

  • 小麦粉…250g
  • グラニュー糖…120g
  • バター…120g
  • たまご… 3個
  • ベーキングパウダー…10g
  • 牛乳…50ml
  • バニラエッセンス…4、5 滴
  • りんご酢…大さじ1
  • 塩…少々
  •  
  • 缶詰のパイナップル…7枚
    ※タルト型 直径26cmくらいがよい 

文字_作り方

文字_数字1

料理写真_1

鍋に砂糖とパイナップルの缶詰のシロップを入れ、へらで混ぜながら焦がさないように気を付けてカラメルを作る。

文字_数字2

料理写真_2

ボウルにたまごと砂糖を泡だて器でよく混ぜる。柔らかくしたバターを加える。

文字_数字3

料理写真_3

別のボウルに小麦粉とベーキングパウダー、塩少々をさっくりと混ぜ、②に加える。牛乳、バニラエッセンス、りんご酢を加えてさらに混ぜる。

文字_数字4

料理写真_4

タルト型の内側にバター(分量外)を塗り、①のカラメルを注いで、パイナップルを並べる。③の生地を流しむ。160度に予熱したオーブンで40~45分焼く。

文字_ポイント

フィリピン|ビステク・タガログ

国の名前と料理名_フィリピン

メイン写真_ビステグカタログ

フィリピンは、16世紀から19世紀末まで300年以上もスペイン、
それ以降の1946年までは日本やアメリカの植民地下に置かれ、また長い間に中国人の入植が進んで、
これらの国々の食文化が混ざり合いながら独自の料理が発展していきました。

「ビステク・タガログ(タガログのビーフステーキ)」 は、首都マニラを中心にしたタガログ語を話す人々の間で広まった料理のひとつ。ビーフステーキとビーフシチューの中間のような一品で、薄切りの牛肉を酢やレモンジュース(現地ではかんきつ類の一種カラマンシーを使用)、しょうゆ入りのマリネ液に漬け、マリネ液とともに肉を煮込んで食べます。

牛肉を酢に漬けたアドボ(マリネ)の理法で作る「ビステク・エンセボリャード」というスペインの料理が、
アメリカや中国の影響を受けながらフィリピンで進化したという説もあります。
フィリピンでは温かいごはんとよく一緒に食べますが、さっぱりしたしょうゆベースの味付けは
日本人も大好きな方が多いはず。おかずにぜひ活用してみてください。

文字_ビステクタガログ

料理写真_ビフテグタカログ

文字_材料

  • 牛肉…(5mm位の薄切り。あればサーロイン、リブロース、肩ロース)
  • 【A】
  • しょうゆ…大さじ4
  • オイスターソース…大さじ1
  • ブラウンシュガー…大さじ2
  • 酢…大さじ1
  • レモンジュース(現地ではカラマンシーを使用)…小さじ1
  • こしょう…小さじ1/4
  • ガーリックパウダー…小さじ1/2
  • 玉ねぎ
  • にんにく
  • 植物油

文字_数字1

料理写真_1

ボウルにAを入れて混ぜてマリネ液を作り、牛肉を漬けて冷蔵庫で1時間以上(できれば一晩)寝かせる。

文字_数字2

料理写真_2

フライパンに植物油をひき、玉ねぎの輪切りをやわらかくなるまで炒める。取り出しておく。

文字_数字3

料理写真_3

②のフライパンで①の牛肉の両面を火が通るまで焼く(マリネ液は取っておく)。取り出しておく。 

文字_数字4

料理写真_4

③のフライパンににんにくを入れて炒める。マリネ液と、水を加えて混ぜ、沸騰させる。

文字_数字5

料理写真_5

④の火を弱め、③の牛肉を加えてふたをし、30~40分煮込む。必要に応じて水(分量外)を足す。

文字_数字6

料理写真_6

⑤を皿に盛り、②の玉ねぎを乗せる。上から少し⑤の汁をかける。

タイ|ホイ・トム・タクライ

国の名前と料理名_タイ

メイン写真_ホイトムタクライ

「辛・酸・甘・塩・旨」という5つの味覚から成り立つタイ料理は、とうがらしのピリッとした辛さや、
ライムやタマリンドのさっぱりとした酸味、ココナッツミルクやパームシュガーの甘みなどが特徴的。
さらにレモングラスやコブミカンの葉(カフェライムリーフ)、
パクチーなどハーブのさわやかな香りがおいしさにアクセントを加えます。

タイは大きく4つの地域に分かれ、料理にもそれぞれ特徴があります。
「ホイ・トム・タクライ(アサリのレモングラス蒸し)」は、熱帯モンスーン気候に属する南部の伝統的な魚介料理。すべての材料を鍋に入れて蒸すだけという、びっくりするほど簡単に作れるおいしい一品です。

タイ料理でおなじみの調味料ナンプラー(魚醤)も使わず、アサリに含まれる天然の旨味と塩分で味を調えますが、
ここでは仕上げとして、レモンジュースに酢を加えてバランスよく味を引き締めます。

フレッシュな酸味が暑い日でも食欲を増進させ、
残ったアサリのスープは取っておいてパスタやリゾットにも活用できます。

文字_ホイトムタクライ

料理写真_ホムトムタクライ

文字_材料

  • 【A】
  • アサリ…180~200g 洗っておく 
  • レモングラスの茎…1本(白い部分を斜めに薄切り)
  • 鷹の爪…2本
  • にんにく…2かけ(皮をむいてつぶす)
  • 赤たまねぎ…1/4個(皮をむいて薄切り) 
  • バジルの葉(あればタイバジル)…6〜8枚+適量 
  • 水…1/4カップ
  • 塩…少々
  • レモンまたはライムジュース…大さじ1(輪切りを1~2枚、飾り用に取っておく)
  • 酢…小さじ1

文字_数字1

料理写真_1

鍋にAを入れてふたをし、沸騰させてアサリの貝が開くまで2~3分火を通す。

文字_数字2

料理写真_2

レモンまたはライムジュースと酢を混ぜ、①にかける。必要に応じて塩少々で調味する。バジルの葉とレモンまたはライムの輪切りを飾る。

文字_ポイント

トルコ|花嫁のスープ

国の名前と料理名_トルコ

メイン写真_花嫁のスープ

中国、フランス料理と並んで世界三大料理のひとつにも数えられているトルコ料理。
その由来は、1299年から1922年まで600年以上も存続し、全盛期にはヨーロッパ東部からアラビア半島、
アフリカ北部を制覇したオスマン帝国領土内の郷土料理を集結し、
宮廷の厨房で切磋琢磨された調理法から育まれたものともいえます。

「花嫁のスープ(エゾゲリン・チョルバシ)」は、
現在のトルコ南東部にある美食の街ガジアンテップの美しい花嫁にちなんで名づけられました。
彼女が、台所にあった少ない有り合わせの材料から素早く作ったおいしいスープだという伝説があり、
現在ではトルコ全域で食べられています。特に寒い日に飲めば、ほっこりと温まります。

具は赤レンズ豆、お米、トマトなどで、酢+レモンジュースを加えて酸味にメリハリをつけます。
仕上げには、パセリのほか、乾燥ミントやパプリカ粉をトッピングしてもきれいです。

文字_花嫁スープ

料理写真_花嫁のスープ

文字_材料

  • 赤レンズ豆(皮なし)…40g
  • ごはん…40g
  • バター…10g
  • オリーブオイル…大さじ1
  • 玉ねぎ…1/2個(みじん切り)
  • にんにく…1かけ(みじん切り)
  • 濃縮トマトペースト(なければケチャップで代用) …大さじ2
  • 小麦粉…大さじ1
  • 水…600ml
  • 【A】
  • チキンコンソメの素…小さじ1
  • とうがらし粉…小さじ1/2
  • クミン粉…小さじ1/4

  • 塩 小さじ1/2
  • レモンジュース 大さじ1
  • 酢 小さじ1

文字_トッピング

  • パセリ…少々(刻む)
  • レモン(輪切り)…2枚
  • 黒こしょう…小さじ1/4

文字_作り方

文字_数字1

料理写真_1

鍋に水(分量外)を入れて赤レンズ豆をやわらかくなるまで煮込む。

文字_数字2

料理写真_2

別の鍋にバターとオリーブオイルを入れて熱し、玉ねぎとにんにくを炒める。

文字_数字3

料理写真_3

②に①の赤レンズ豆、水を加えて20分程煮込む。

B : 別の鍋に濃縮トマトペーストと小麦粉を混ぜ入れて熱する。

文字_数字4

料理写真_4

③にAとBを加え、塩で味を調える。食べる前にレモンジュースと酢を混ぜ合わせたものを加え、パセリとレモンの輪切り、黒こしょうをトッピングする。

文字_ポイント

インド|チャム・チャム

国の名前と料理名_インド

メイン写真_チャムチャム

辛いカレーのイメージが強いインドですが、その一方で伝統的なお菓子の種類が豊富なスイーツ天国でもあります。
多宗教国家インドでは、1年を通してヒンドゥー教をはじめさまざまな宗教のお祭りが行われます。
その際のお供えにもお菓子は欠かせません。

「チャム・チャム」は、東インドの西ベンガル州と、
地続きの隣国バングラデシュにまたがるベンガル地方に伝わるおいしいミルク菓子。
牛乳に酢を加えて作ったカッテージチーズ(パニール)を丸めた生地をシロップでゆで、
甘いペーストやドライフルーツをはさんだり、ココナッツフレークをまぶしたり、果物のソースをかけたりして食べます。
お祭りのときには、淡いピンクやイエローなど生地を華やかに色付けすることもあります。

ここでは、さわやかな酸味を楽しめるマンゴーソースがけのチャム・チャムの作り方をご紹介します。
ソースにりんご酢とレモンを加えることでマンゴーの甘酸っぱい味わいを引き立たせ、さらに栄養をプラスします。

文字_チャムチャム

料理写真_チャムチャム

文字_材料

文字_生地

  • 牛乳…1000ml
  • りんご酢…大さじ4
  • 小麦粉(薄力粉)…大さじ1

文字_シロップ

  • 水…500ml
  • 砂糖…70g

文字_ソース

  • コンデンスミルク…40ml
  • マンゴーソース…100ml
  • りんご酢…大さじ1
  • レモンジュース…小さじ1
  • カルダモン粉…小さじ1/2

文字_トッピング

  • ピスタチオ…大さじ1(砕く)

文字_作り方

文字_数字1

料理写真_1

鍋に牛乳を入れて沸騰直前まで熱する。火を止めてりんご酢を加える。浮かび上がってきたカッテージチーズをすくい、ガーゼの上に乗せてぎゅっと水気を絞る。水気をしっかり切るために30分置く。

文字_数字2

料理写真_2

①のカッテージチーズをボウルに入れ、小麦粉を加えてなめらかになるまでこねる。だいたい各35~40gずつ5等分にして楕円形に丸める。

文字_数字3

料理写真_3

鍋に水と砂糖を入れて沸騰させ、②を入れてふたをし、15分ゆでる。

文字_数字4

料理写真_4

③がゆであがる間に、ソースを作る。ボウルにソースの材料を入れて混ぜる。

文字_数字5

料理写真_5

③のチーズをすくい、粗熱が取れるまで冷ます。お皿に盛って④のソースをかけ、冷蔵庫で1時間程度冷やす。冷蔵庫から取り出し、ピスタチオをかける。

文字_ポイント

アメリカ合衆国(ハワイ)|ハワイアン・ミートボール

国の名前と料理名_ハワイ

メイン写真_ハワイアンミートボール

ミートボールはその歴史をひも解くと、中国では紀元前に遡るとも、
また古代ローマのアピシウスの料理帖にも多くのミートボールのレシピが登場するともいわれるほど、
古くから世界中で愛されてきた料理。スウェーデンのコケモモジャム添えや、オランダの揚げ焼きなど、
現在も、国や地域ごとにさまざまな調理法によるミートボールがあります。

ハワイでは、牛ひき肉に酢とパイナップル・ジュース、しょうゆ、砂糖を加えた甘辛な調味料で味付けして丸め、
パイナップルを添えたミートボールが人気。酢豚のような、とろみのあるアジア風のあんかけソースと
青ねぎのトッピングが、多民族が暮らすハワイを象徴しています。

パイナップルを縦割りしてくり抜いたお皿にミートボールとパイナップルを盛るのもかわいいですが、
ここではピンチョス風の一口サイズに。おしゃれなオードブルにもなります。

文字_ハワイアンミートボール

料理写真_ハワイアンミートボール

文字_材料

文字_ミートボール

  • 牛ひき肉…250g
  • しょうが…小さじ1(すりおろす)
  • 米酢…小さじ1
  • ガーリックパウダー…小さじ1/4
  • 黒こしょう…小さじ1/4
  • 塩…ひとつまみ
  •  
  • 水…大さじ2
  • 生パイナップル…250g(角切り)

文字_ソース

  • ブラウンシュガー…大さじ2
  • コーンスターチ…大さじ1
  • パイナップル・ジュース…大さじ2
  • 米酢…大さじ2
  • しょうゆ…大さじ1/2
  • 青とうがらし…1/2本(みじん切り)

文字_トッピング

  • 青ねぎ…少々(輪切り)
    ※ピンチョス用の串

文字_作り方

文字_数字1

料理写真_1

ボウルにミートボールの材料を入れてよくこねる。30gくらいずつ取り、団子を作っていく。

文字_数字2

料理写真_2

フライパンに水大さじ2を入れ、①のミートボールを中に火が通るまで10分程度、ころがしながらこんがり焼く。

文字_数字3

料理写真_3

ソースの材料を鍋に入れ、とろみがつくまで2~3分煮込む。②のミートボールとパイナップルを加えて中火で10分煮込む。

文字_数字4

料理写真_4

ミートボールとパイナップルを串に刺し、お皿に並べていく。③のソースの残りを少しかけ、青ねぎをトッピングする。

文字_ポイント

 

マレーシア|ラクサ ヌードルスープ

国の名前と料理名_マレーシア

メイン写真_ラクサヌードルスープ

東南アジアのマレーシアやシンガポールには、さまざまな種類の料理が気軽に食べられる屋台街があり、
地元の人にも観光客にも大人気。その中でも有名メニューのひとつが、スープ麺の「ラクサ」です。

ラクサという言葉は、一説には古代ペルシア語の「麺」に由来するといわれ、
16世紀頃から貿易等のため東南アジアに移住を始めた華僑と、マレーやインド系である地元の女性との結婚から
生まれた混合文化(プラナカン)の中で育まれました。中国の麺とともに、スパイスやハーブ、かんきつ類、
ココナッツミルクなど東南アジアの食材をスープに使い、地域によってさまざまな種類のラクサがあります。
エビなどの具と香辛料、ココナッツミルクを使ったシンガポールの「カトン・ラクサ」、ココナッツミルクを使わず、
マメ科の植物タマリンドの実の酸味を活かしたペナン島の「アッサム・ラクサ(ペナン・ラクサ)」、
ココナッツミルク&カレー風味と酸味が合わさったボルネオ島サラワク州の「サラワク・ラクサ」などが有名です。

ここでは、前述の二者のいいところ取りをし、
アメリカの著名な作家・シェフ・番組司会者の故アンソニー・ボーディンが「神々の朝食」と絶賛した、
やみつきになるようなおいしさのサラワク・ラクサを作ってみましょう。

文字_ラクサヌードルスープ

料理写真_ラクサヌードルスープ

文字_材料

  • えび…4〜6尾(だしをとるため、できれば殻と頭付き)
  • 鶏肉…200g
  • 水…300ml
  •  
  • ラクサペースト…100g
  • ココナッツミルク…300ml
  • 植物油…大さじ1
  • ビーフン…180g×2~3人分(ゆでておく)
  • (そうめんや中華麺でもよい)
  • コリアンダーの葉…少々
  • 赤とうがらし…少々(輪切り)
  • ライム…2~3枚(輪切り)
  •  
  • レモンジュース…小さじ1
  • 酢…大さじ1(レモンジュースを混ぜておく)
  • 【A】
  • ピーナッツ 大さじ2
  • (細かく砕く。細かく砕いた白ごままたは両方を混ぜてもよい)
  • カレー粉…大さじ1/2
  • 塩…小さじ1/2
  • 砂糖…大さじ1/2
  •  
  • 【B】
  • もやし…1/2袋(ゆでておく)
  • きゅうり…1/2本(細切り)
  • 錦糸たまご…たまご1個分

文字_作り方

文字_数字1

料理写真_1

鍋に水を入れて沸騰させ、えびを15分程ゆでる。えびを取り出して、同じ鍋に鶏肉を入れ、さらに15分ゆでて、取り出す。アクをすくう。えびは殻を取り、鶏肉は細かく裂く(両者ともあとで具に使用)。

文字_数字2

料理写真_2

フライパンに植物油をひき、ラクサペーストを加えて油となじませながら香り立たせる。Aを加えて混ぜ合わせる。

文字_数字3

料理写真_3

②に①のだし汁を加えて混ぜ、一度ざるで濾す。

文字_数字4

料理写真_4

③にココナッツミルクを加えて混ぜ合わせる。10分煮込む。

文字_数字5

料理写真_5

どんぶりにゆでたビーフンを入れ、①のえびと鶏肉、Bのトッピングを乗せ、④のラクサスープを上からかける。コリアンダーの葉、赤とうがらしを飾り、酢 レモンジュースを添えて好みで足す。

文字_ポイント

 

 

監修:お酢博士 赤野裕文さん

山口県出身。広島大学工学部醗酵工学科卒業。1979年、㈱中埜酢店(=ミツカングループの以前の社名)に入社し、食酢の基礎研究やマーケティング、商品開発など食酢に関わるさまざまな分野を担当。2016年に㈱Mizkanを定年退職し、現在は食酢エキスパート社員として食酢の啓蒙活動を行っている。

監修:各国・郷土料理研究家 青木ゆり子さん

e-food.jp代表、各国・郷土料理研究家、世界の料理レシピ・ライブラリー&サロン運営。
2000年に世界の料理総合情報サイトe-food.jpを創設。エッセイスト、レシピ開発、食文化講師、シェフ等として活動。世界各地で取材した郷土料理の魅力を広め、食を通じた国際理解の啓蒙を目指す。2020年内閣官房ホストタウン事業 郷土料理講師拝命。主な著書「世界の郷土料理辞典」(誠文堂新光社)2020年