イメージ写真_ベジフル酢_さつまいも

おいしく食べてスッキリ快調!「さつまいもの黒酢みりん煮」

旬の野菜や果物は、鮮度がよいだけでなく、栄養価も高いといわれています。香りや旨味も豊富で味が濃く感じられるのも特徴的。「ベジフル酢」では、旬の野菜や果物を使った、簡単でリピートしたくなるお酢料理を、お酢健マスコット、お酢の「すーちゃん」が紹介します!

第9回目の食材は「さつまいも」

さつまいもは、おかずにもおやつにもなる万能食材。近年では、スーパーマーケットの店頭で軽やかな音楽とともにおいしい香りを放つ「焼きいも」が、時期問わず見られます。でも本来の旬は秋から冬にかけて。土の中で完熟したさつまいもは甘みが強く、加熱するとホクホクとした食感になります。ビタミンCやEに加えて食物繊維が豊富で、美容成分の宝庫!
切ったときに皮の近くからにじみ出てくる白い液はヤラピンという成分です。皮の表面で黒っぽく固まりシミのように見えることもあります。これはさつまいもの仲間のヒルガオ科の植物に特有の成分で、もちろん食べても大丈夫な成分。食物繊維と一緒になることで腸の動きを促すと考えられています。

さつまいものおいしい選び方について
さつまいもの軸(つる)を見てみましょう。軸(つる)の部分から蜜が出ているものは完熟して甘みが増しています。また、皮の色が鮮やかでハリがあるものが良品。寒さに弱いので、冷蔵庫ではなく新聞紙に包んで冷暗所に保存しましょう。

お酢には、いろいろな種類があるのを知っていますか? お米の甘みやうまみを感じられるまろやかな「米酢」、さわやかなりんごの香りが特徴の「りんご酢」など、原料由来の風味がいきています。玄米で造られる「黒酢」は、コクがあり旨味成分も豊富。さつまいもに合わせると甘みを引き立て、さっぱりとしながらも深みのある味わいに。腸内環境に良好なさつまいもと、内臓脂肪を減少させる働きのあるお酢は健康面においても強いタッグ。おいしくて体も喜ぶなんて、一石二鳥ですね。

黒酢のコクが味の決め手「さつまいもの黒酢みりん煮」

材料(4人分)

  • さつまいも……1本(250g)
  • A
  • 黒酢……120ml
  • みりん……60ml
  • 塩……小さじ1/6強(1.2g)
  • 水……60ml

栄養価(1人分)

  • エネルギー 143kcal
  • たんぱく質 1.1g
  • 脂質 0.1g
  • 炭水化物 30.4g
  • 食物繊維 1.4g
  • 食塩相当量 0.3g

作り方

1.さつまいもは1〜1.5cm厚さの輪切りにし、10分ほど水にさらしてアク抜きをします。

すーちゃん

切ったらすぐに水にひたしてアク抜きしま酢〜!

2.鍋にさつまいもとAを入れて中火にかけ、落としぶたをします。

3.焦がさないようにときどき鍋を回し、煮汁が少なくなり、竹串を刺してすっと串が通るまで煮ます。

ほっくり甘く、後口さっぱり。クセになる味!

小鍋ひとつ、さつまいもを切って煮るだけだからとても簡単! シンプルだからこそ秋の味覚を存分に堪能できるレシピです。味を引き立てるのは、お酢とみりんのマッチング。みりんの自然な甘みがお酢の酸味をマイルドにし、さつまいもの風味をより深く感じられます。黒酢を使うとコクが増し、暖かみのある色合いに仕上がるのも利点。噛みしめるとほっくりとして甘みが広がり、やわらかな酸味がジュワッと出てきます。後口は甘ったるくなくスッキリ。あっさりめの大学いも風で、つい箸が進んでしまうおいしさです。

煮詰めていくと蜜を入れていないのにトロッとしてきます。その「トロッ」ができあがりの目安。まだかたくて煮汁が少なくなったときは、水を足して煮てください。

食卓やお弁当の箸休めのほか、小腹が空いたときのおやつにぴったり。粗びき黒こしょうをかけると、ピリッと刺激的な辛さが加わって、お父さんの晩酌のおつまみにもなります。秋の定番副菜にぜひ!

参考:
「日本食品標準成分表 2015年版(七訂)」文部科学省
『旬の野菜の栄養事典』吉田企世子監修(エクスナレッジ)

文/須永 久美
イラスト/鳥居 志帆
監修/おいしい健康 管理栄養士