イメージ画像_世界のうまずっぱい料理_ヨーロッパ編

世界のうまずっぱい料理|ヨーロッパ編

新しいおいしさに出会う「世界のうまずっぱい料理」ヨーロッパ編のご紹介です。ドイツ連邦共和国、セルビア共和国、ウズベキスタン共和国、モンテネグロ、そしてルーマニア。お酢を使った「ヨーロッパの郷土料理」をおたのしみください。

ドイツ連邦共和国|ザワーブラーテン

イメージ写真_世界のうまずっぱい料理_ドイツ_街並みと地図

テキスト画像_ドイツの国旗と料理名
料理写真_ザワーブラーテン_上から撮った写真

ドイツは2000年もの歴史があるヨーロッパの主要国。自然に恵まれ、また近年は東西に国が分かれていた時代を経て、地方色豊かな食文化を育んできました。

ザワーブラーテンは、赤ワインや赤ワインビネガー、たまねぎ、月桂樹の葉などでマリネした牛肉のかたまりを煮込み、スライスして食べるドイツを代表する伝統料理のひとつです。

少々手間のかかる料理ですが、肉を煮込むときに圧力鍋を活用すれば時短できます。

しっかりと煮汁の味がしみた肉のかたまりをスライスしてお皿に盛り、ソースをかければひときわ豪華な一品に。付け合わせには、ドイツらしくゆでたじゃがいもなどを。記念日やお誕生日など特別な日のディナーにおすすめです。

なお、ザワーは酸っぱい、ブラーテンは焼肉の意味で、酢に漬けることで肉が柔らかくなり、酸味が肉のおいしさを際立たせます。牛肉のほかに鹿肉や羊肉、豚肉で作ることもあります。

料理写真_ザワーブラーテン_横から撮った写真
テキスト画像_材料(2人分)
  • 赤ワイン……50ml
  • 赤ワインビネガー(りんご酢でも代用可)……40ml
  • きび砂糖……大さじ1/2
  • 水……100ml
  • たまねぎ……中1/2個 ※1/4は薄切りにして漬け汁に、1/4はみじん切りにして炒め用に。
  • セロリの葉……1本分
  • 月桂樹の葉……1枚
  • 黒こしょう……少々
  • 塩……小さじ1/2
  • 牛肉……300g(肩ロースのかたまり肉)
  • バター……大さじ1/2
  • 小麦粉……大さじ1/2
  • じゃがいも……中1個(付け合わせ用。ゆでて皮をむいておく。)
  • パセリ……小さじ1/2(飾り用)
テキスト画像_作り方

テキスト画像_料理工程01

調理工程01_食材を混ぜ合わせる

鍋に赤ワイン、赤ワインビネガー、きび砂糖、水、スライスしたたまねぎ、セロリの葉、月桂樹の葉、黒こしょう、塩を入れて混ぜ合わせ沸騰させる。

テキスト画像_料理工程02

調理工程02_肉のかたまりを漬け込む

[1]を容器に入れて冷まし、肉のかたまりを漬け込む。冷蔵庫に入れて1日以上置く。

テキスト画像_料理工程03

調理工程03_肉を取り出し、漬け汁をざるで濾す

[2]からに肉を取り出し、キッチンペーパーで水気をふき取る。漬け汁をざるで濾し、汁のみ取っておく。

テキスト画像_料理工程04

調理工程04_厚手の鍋で肉の表面を焼く

厚手の鍋にバターの半分を溶かし、肉の表面にまんべんなくこんがりと焼き色をつける。

テキスト画像_料理工程05

調理工程05_みじん切りにしたたまねぎを色づくまで炒める

[4]の鍋から肉を取り出して容器にとっておき、残りのバターを足してみじん切りにしたたまねぎを色づくまで炒める。

テキスト画像_料理工程06

調理工程06_肉を戻して、漬け汁を入れる

[5]にとっておいた漬け汁をゆっくり加えて煮立たせたら、肉を戻して、ふたをして弱火で1時間煮込む。肉に汁に浸かっていない部分があれば必要に応じて水を足す。

テキスト画像_料理工程07

調理工程07_肉を取り出し、アルミホイルで包んで保温する

[6]から肉を取り出し、アルミホイルに包んで保温しておく。

テキスト画像_料理工程08

調理工程08_残った煮汁でソースを作る

[6]の煮汁から肉の脂を取り除き、ざるで濾して、小麦粉を溶かしてとろみをつけ煮詰め、ソースを作る。

テキスト画像_料理工程09

[7]の肉をスライスしてお皿に盛り、[8]のソースをかけ、じゃがいもを添え、パセリを飾ってできあがり。


セルビア共和国|ベラ・チョルバ

イメージ写真_世界のうまずっぱい料理_セルビア共和国_街並みと地図

テキスト画像_ セルビア共和国の国旗と料理名
料理写真_ベラチョルバ_上から撮った写真

バルカン半島内陸部にあるセルビアは、古くはローマ帝国、またオスマン帝国やオーストリア・ハンガリー帝国の植民地、またユーゴスラビア時代を経ながら、正教会の信仰を守り抜いてきた国。それらの国々に影響された反面、独自の食文化も受け継いでいます。

ベラ・チョルバは、鶏のだしに野菜の具を入れて煮込み、サワークリームやりんご酢で味付けするクリーミーで酸味のおいしいスープ。鶏のスープに酢を入れることで味が引き締まります。酢や発酵による酸っぱさを好むスラブ系のセルビアらしい料理で、「ベラ」はスラブ系語で「白」を意味します。

主菜の前にいただくこともありますし、夏のランチなどではメインディッシュとして食べることも。その際は具にじゃがいもを多めに加え、フレッシュなキャベツのサラダを添えます。

また二日酔いの特効薬としても活躍します。酔い覚ましには、酢を多めにしてより酸っぱくして飲むのだそう。

料理写真_ベラチョルバ_横から撮った写真
テキスト画像_材料(2人分)
  • 鶏むね肉(かたまり)……200g
  • 水……800ml
  • 植物油……大さじ1
  • たまねぎ……中1/2個(みじん切り)
  • にんじん……1/2本(皮をむいてさいの目切り)
  • セロリ……1/2本(薄切り)
  • 鶏がらスープの素……小さじ1
  • サワークリーム(牛乳でもよい)……10g
  • 小麦粉……大さじ1
  • たまご(黄身)……1/2個分
  • りんご酢……大さじ1と1/2
  • 塩……少々
  • こしょう……少々
  • パセリ ※トッピング……少々(みじん切り)
テキスト画像_作り方

テキスト画像_料理工程01

調理工程01_茹でた鶏肉を手で細かく裂く

鍋に水を入れ、鶏肉を加えて火が通るまで20分ほど弱火で煮込む。アクを取って、鶏肉を取り出し細かく裂く。だし汁は取っておく。

テキスト画像_料理工程02

調理工程02_フライパンでたまねぎを炒める

別の鍋に植物油をひき、たまねぎを炒める。

テキスト画像_料理工程03

調理工程03_ニンジン、セロリを鶏肉と一緒に煮込む

[2]ににんじん、セロリ、[1]の鶏肉とだし汁、鶏がらスープの素を加えて15分ほど中火で煮込む。火を止めて少し冷ましておく。

テキスト画像_料理工程04

調理工程04_ボウルにサワークリーム、小麦粉、たまごの黄身を入れて混ぜる

ボウルにサワークリーム、小麦粉、たまごの黄身を入れ、[3]からスープ少々を取って混ぜ、溶いておく。

テキスト画像_料理工程05

調理工程05_煮込んでいた鍋に、溶いた卵・りんご酢を混ぜる

[3]の鍋に[4]をゆっくり混ぜ入れて1~2分、弱火でとろみをつける。りんご酢、塩、こしょうを加えて味を調える。

テキスト画像_料理工程06

[5]をスープ皿に盛り、パセリを飾ってできあがり。


ウズベキスタン共和国|ウズベク・シャシリク

イメージ写真_世界のうまずっぱい料理_ウズベキスタン共和国_街並みと地図

テキスト画像_ ウズベキスタン共和国の国旗と料理名
料理写真_ウズベグシャシリク_上から撮った写真

ソ連の解体後、1991年に独立した中央アジアの国ウズベキスタン。

シシカバブとも呼ばれるシャシリクは、中央アジアやカフカス地方、ロシアなどで広く人気のある料理です。古代トルコ語が起源といわれる遊牧民の料理で、酢またはレモン、たまねぎ、スパイスで数時間マリネした角切りの肉を串焼きします。

ウズベキスタンには、伝統的に女性が肉を切ってマリネをし、男性が肉を焼く役割を担ってきた歴史があります。さまざまな肉を使いますが、イスラム教徒が多いため牛肉や仔羊肉、鶏肉をよく使います。

酢には、さっぱりとした酸味を加える以外に肉を柔らかくする効果がありますが、同国ではソ連時代の影響からワインビネガーがよく使われます。

肉のほかにピーマンやマッシュルーム、トマトなどの野菜を肉と交互に串に刺すこともあります。バーベキューにおすすめの料理です。

料理写真_ウズベグシャシリク_横から撮った写真
テキスト画像_材料(2人分)
  • 牛肉……400g(角切り・20等分)
  • たまねぎ……小1個(みじん切り)
  • 塩……小さじ1/2
  • ワインビネガー(りんご酢でも代用可)……大さじ4
  • 黒こしょう……小さじ1/2
  • コリアンダーシード……小さじ1
テキスト画像_作り方

テキスト画像_料理工程01

調理工程01_牛肉以外の材料をボウルに入れてよく混ぜる

牛肉以外の材料をボウルに入れてよく混ぜる。

テキスト画像_料理工程02

調理工程02_牛肉を加えて、冷蔵庫で一晩置く

牛肉を[1]に漬け込み、ラップをして冷蔵庫に一晩置く。

テキスト画像_料理工程03

調理工程03_牛肉を金串に刺してグリルで焼く

[2]の牛肉を金串に刺していく(赤身の多いもの、脂身の多いものを交互に刺し、最後の串のてっぺんに脂身がくるようにするとよい)。グリルで焼いてできあがり。


モンテネグロ|ポドバラック

イメージ写真_世界のうまずっぱい料理_モンテネグロ_街並みと地図

テキスト画像_モンテネグロの国旗と料理名
料理写真_ポドバラック_上から撮った写真

モンテネグロは、アドリア海に面した地域はかつてのベネチア共和国の一部であり、また1929年からはユーゴスラビアの一部だった国。2006年にセルビアより独立しました。食文化にはそれらの国々の影響がうかがえます。

ザワークラウトとたまねぎ、肉やソーセージなどをじっくりとオーブン焼きしたポドバラックは、旧ユーゴスラビアの国々で人気のある料理です。

本来はキャベツを塩漬けして長期間保存し、乳酸菌で酸味を出すザワークラウトは、千切りキャベツをりんご酢、塩、砂糖少々とともに加熱することで簡単に即席版を作ることができます。酢には食欲増進効果があることから生キャベツよりもたくさんの量を摂取でき、ダイエット時などにもおすすめです。

耐熱皿でオーブン焼きする間に、食材の旨味が混ざり合って独特の深い味わいに。燻製ソーセージを選ぶとスモーキーな風味が加わっていっそうおいしくなります。

料理写真_ポドバラック_横から撮った写真
テキスト画像_材料(2人分)
  • キャベツ……小1/3個(千切り)
  • りんご酢……大さじ4
  • 水……50ml + 100ml
  • 砂糖……小さじ1/2
  • 塩……小さじ1/2
  • オリーブ……オイル大さじ1
  • たまねぎ……1/4個(薄切り)
  • 塩……適量
  • こしょう……適量
  • 月桂樹の葉……1枚
  • フランクフルトソーセージ……2本
テキスト画像_作り方

テキスト画像_料理工程01

調理工程01_ボウルにキャベツを敷いて、調味料をかける

インスタントのザワークラウトを作る。耐熱皿に千切りにしたキャベツを入れ、ボウルにりんご酢、水、砂糖、塩を入れ混ぜて、キャベツの上からまんべんなくかけてラップをし、電子レンジ(600w)に5分かけてしんなりとさせる。

テキスト画像_料理工程02

1のキャベツの粗熱が取れたら水気を絞り、残りの液は取っておく。

テキスト画像_料理工程03

調理工程03_フライパンでたまねぎを炒める

フライパンにオリーブオイルをひき、たまねぎを弱火で少し色づくまで炒める。

テキスト画像_料理工程04

調理工程04_炒めたたまねぎに漬け込んだキャベツを加えて、さらに炒める

[3]に[2]のキャベツを混ぜ加えて、15分ほど炒める。軽く塩、こしょうをする。

テキスト画像_料理工程05

調理工程05_耐熱皿に炒めたキャベツ・たまねぎを敷いて、上にソーセージを乗せる

耐熱皿に[4]を入れ、水100mlに[2]の残りの液を混ぜ注いで月桂樹の葉を加え、上にソーセージを乗せる。

テキスト画像_料理工程06

調理工程06_180度に余熱したオーブンに入れる

[5]を180度に予熱したオーブンに入れる。


テキスト画像_料理工程07

途中、15分後にいったんオーブンから取り出し、味見をして必要なら塩、水を足して軽く混ぜる。さらに45分焼いて、できあがり。


ルーマニア|サルマーレ

イメージ写真_世界のうまずっぱい料理_ルーマニア_街並みと地図

テキスト画像_ルーマニアの国旗と料理名
料理写真_サルマーレ_上から撮った写真

ヨーロッパ南東部にあるルーマニアは、「ローマ人の国」という意味の通りかつてはローマ帝国の一部であり、14世紀末からはオスマン帝国、その後はハプスブルク家のハンガリー王国の支配下を経て1859年に独立しました。特にオーストリアやハンガリーの食文化の影響が今も残っています。

サルマーレは、サルマとも呼ばれる東欧を中心に人気のロールキャベツ。

ルーマニアでは、冬の保存食である塩漬けの発酵キャベツ(ザワークラウト)で豚ひき肉やたまねぎ、米入りの具を巻き、トマトソースで煮込んだあと、仕上げにオーブンで焼いて作ります。

出来たてをすぐに食べても、一晩寝かしてスープの味をしこみませても美味。ほかほかと温まる寒い季節にぴったりの料理で、ルーマニアではクリスマスの食卓にもよく登場します。

本来は乳酸発酵させて酸っぱくなったキャベツの葉を使うのですが、ここではりんご酢、塩、砂糖で加熱したもので代用。キャベツに酢の酸味を加えることで食欲が進み、消化吸収にも効果的です。

料理写真_サルマーレ_横から撮った写真
テキスト画像_材料(2人分)
  • キャベツ……葉4枚+千切り200g
  • りんご酢……大さじ4
  • 水……200ml
  • 砂糖……小さじ1/2
  • 塩……小さじ1/2
  • [具材]
  • 植物油……適量
  • たまねぎ……1個(粗みじん切り)
  • にんにく……1かけ(みじん切り)
  • 米……大さじ1
  • 水……50ml + 100ml
  • 豚ひき肉……200g
  • パセリ……大さじ1(みじん切り)
  • 塩……少々
  • 黒こしょう……少々
  • ベーコン……50g(薄切りまたは角切り)
  • 月桂樹の葉……1枚
  • トマトピュレ……50ml
テキスト画像_作り方

テキスト画像_料理工程01

調理工程01_耐熱皿にキャベツ・調味料を入れて電子レンジで加熱する

耐熱皿にキャベツの葉、千切りキャベツ、塩を入れて、りんご酢、水、砂糖、塩を混ぜた液をかけて浸し、ラップをして電子レンジ600Wで5分加熱する。キャベツの葉を軽くしぼる。残りの液は取っておく。

テキスト画像_料理工程02

調理工程02_フライパンでたまねぎ・にんにくを炒め、米を加えてさらに炒める

フライパンに植物油をひき、たまねぎ、にんにくを火が通るまで炒める。米を加えてさらに炒める。水50mlを加えて10分煮込む。粗熱を取っておく。

テキスト画像_料理工程03

調理工程03_ボウルに豚ひき肉・パセリ・塩・黒こしょうを入れて混ぜる

ボウルに豚ひき肉、パセリ、塩、黒こしょうを入れ、[2]を混ぜ入れる。

テキスト画像_料理工程04

調理工程04_キャベツの葉に混ぜた豚ひき肉を乗せ、巻いていく

[1]のキャベツの葉にだいたい4等分した[3]を乗せ、巻いていく。

テキスト画像_料理工程05

調理工程05_オーブンに入れられる鍋にロールキャベツを並べる

オーブンに入れられる鍋を用意し、千切りキャベツを半等分し、半分を鍋の底に敷き、その上に[4]のロールキャベツを並べる。

テキスト画像_料理工程06

調理工程06_ベーコン・月桂樹の葉を乗せ、トマトピュレと水を混ぜる

[5]にベーコン、月桂樹の葉を乗せ、上に千切りキャベツの半分をかぶせる。トマトピュレと[1]の残りの液、水100mlを混ぜて流し入れる。

テキスト画像_料理工程07

[6]にふたをして20分ほど中火で煮込む。途中、必要なら水を足す。

テキスト画像_料理工程08

調理工程08_ふたを取って180度に余熱したオーブンで焼く

[7]のふたを取って180度に予熱したオーブンに移し、35~45分焼いてできあがり。


お酢博士 赤野裕文さん

山口県出身。広島大学工学部醗酵工学科卒業。1979年、㈱中埜酢店(=ミツカングループの以前の社名)に入社し、食酢の基礎研究やマーケティング、商品開発など食酢に関わるさまざまな分野を担当。2016年に㈱Mizkanを定年退職し、現在は食酢エキスパート社員として食酢の啓蒙活動を行っている。

各国・郷土料理研究家 青木ゆり子さん

e-food.jp代表、各国・郷土料理研究家、世界の料理レシピ・ライブラリー&サロン運営。
2000年に世界の料理総合情報サイトe-food.jpを創設。エッセイスト、レシピ開発、食文化講師、シェフ等として活動。世界各地で取材した郷土料理の魅力を広め、食を通じた国際理解の啓蒙を目指す。2020年内閣官房ホストタウン事業 郷土料理講師拝命。主な著書「世界の郷土料理辞典」(誠文堂新光社)2020年

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