大林素子さん「お酢を″飲む″のは、現役時代から続くルーティン」

日本女子バレーボール界を牽引し、現在はスポーツキャスターをはじめ、多方面で活躍している大林素子さん。大のお酢好きとしてバラエティ番組にも出演するほど、お酢はなくてはならない存在なのだとか。そんな大林さんに、お酢の魅力について伺いました。

大林 素子(おおばやし もとこ)

1967年6月15日生まれ。東京都出身。中学生からバレーボールを始め、八王子実践高等学校卒業後、日本代表としてオリンピックに3大会出場、イタリアセリエA・アンコーナで日本人初のプロ選手に。1997年に現役引退。現在、JVA(日本バレーボール協会)広報委員、Vリーグ理事、神戸親和女子大学客員教授、会津大学非常勤講師、福島県・しゃくなげ大使、会津若松市観光大使、小平市観光まちづくり大使、山形県南陽市ラーメン大使を務める。歴史好き(土方歳三様好き)がこうじて、会津若松と東京で二拠点生活中。元スポーツ選手ながら、タレント、女優、歌手としても活動。2023年5月Vリーグ・V2女子 ブレス浜松のGMに就任。

 

子どもの頃からお酢が好き!学生時代ははちみつ入りのりんご酢が毎日のご褒美

元日本女子バレーボール代表のトップアスリートであり、現在もスポーツキャスターやクラブチームの指導者として幅広く活躍されている大林さん。子どもの頃からお酢が大好きだったそうですが、好きになったきっかけは?

母からよく「お酢は健康にいい」と言われていました。両親が共働きで、作り置きしやすい酢の物が食卓に並ぶことが多かったので、自然とお酢が好きになりましたね。酢の物にかに身などが入っている時は特別感がありました。

中学1年生の時にバレーボールを始めましたが、当時とても体が硬かったので「お酢を飲むと体が柔らかくなる」という噂を聞いて、お酢を飲むようになって。その頃はりんご酢がブームだったので、体づくりのために毎日はちみつ入りのりんご酢を飲んでいました。ストレッチと合わせて続けていたら、前屈で体がべったりと床につくようになったんですよ!でも、実際はお酢が体を柔らかくするという科学的根拠はなかったので、日々のストレッチの賜物だったみたいです(笑)。

高校時代は寮生活で、当番制で部員の食事を作っていました。酢の物は酢をたくさん使うので、予算の都合上メニューにはあまりなかったですね。砂糖はとってはいけなかったので、甘いドリンクも飲めなかったんですよ。甘味料の中ではちみつだけはOKだったので、りんご酢をストックしておいて、はちみつ入りのりんご酢を飲むのが毎日のご褒美でした。健康や体づくりのためにお酢を飲んでいる部員も多かったです。でも、当時はお酢についての知識もなかったので、練習後の空腹時に飲んでいて、なんとなく満腹感を得られているような気分になっていました(笑)。

大人になるにつれて雑誌やネットでお酢の記事に触れる機会も増えて、正しい知識が身に付くと、さらにお酢の魅力にハマったそう。

「喉ごしがスッキリするところがお酢の魅力。学生時代はお酢を″飲む″ことが多かったのですが、油っぽい料理にプラスすることで食べやすくなるというのは、大人になってから気づきましたね。最近はポピュラーになりましたが、餃子にはたっぷりのお酢と黒こしょうをつけて食べると後味がさっぱりしておいしいです。イタリアのセリエA時代にバルサミコ酢に出会ったのも衝撃的でした。サラダにバルサミコ酢と塩・黒こしょうをかけるだけでご馳走になりますし、お酢の万能さを実感しましたね。

出張先で出会うご当地のお酢は必ずチェック!

毎日お酢ドリンクを飲むのが大林さんのルーティン。お気に入りの食べ方を伺うと、納豆にたっぷりのお酢と一味をかけるのがおすすめなのだとか。

「お酢と同じくらい一味とうがらしも大好きなんですよ。納豆にはお酢×一味を組み合わせるのが私の定番です。納豆がひたひたになるまでたっぷりかけるので、酢の物感覚に近いかもしれません。テレビ番組でこの食べ方を紹介したところ、お医者さんに「お酢の量が多過ぎる」とご指摘をいただいたので、少し量を減らすようにしています(笑)。
普段は外食が多いですが、お酢はちょっと持ち歩けないので、もっといろんな飲食店の卓上にお酢を置いてほしいですね。

普段からお酢をとっている大林さんはどれくらいの頻度で使っているのでしょうか。

 定番のお酢が一つあって、それ以外はいろんなお酢を試すのが好きです。最近はフルーツフレーバーのお酢ドリンクなど、種類も豊富ですよね。希釈タイプだけでなくストレートタイプなどいろんな飲み方ができるので、お酢がより身近なものになっている気がします。

今は会津若松と東京の二拠点生活をしているのですが、クラブチームの指導や講演会など日常的に地方に行くことが多いので、出張先で時間があればスーパーや道の駅などに立ち寄ってご当地のお酢を必ずチェックしちゃいますね。ご当地の食材を使った変わったお酢がたくさんあるので、ついつい買い込んでしまうんですよ。鮮度を考えると瓶詰めのものにしたいので、いつも帰りの荷物が重くなりがちで、家にはお酢のストックがたくさんあって順番待ち状態です(笑)。あとは、新生姜漬けやらっきょう漬けなどを見かけるとつい購入してしまいます。      

自宅にいろんな種類のお酢があるという大林さんが、よく作るお酢料理は?

出張が多いこともあってあまり料理はしませんが、友人を招くときの定番はしゃぶしゃぶ。お供にポン酢は欠かせませんね。翌日以降の作り置きを兼ねて酢の物をたくさん作っておくのですが、友人もお酢好きが多いので、メイン料理より先になくなってしまうんですよ(笑)。     

私の場合、基本的にお酢は「かける」・「飲む」という付き合い方ですが、温めた豆乳とお酢を合わせる台湾の朝食の定番「鹹豆漿(シェントウジャン)」にもハマって、一時期毎朝食べていたこともあります。具材と豆乳を入れて電子レンジでチンして、お酢を入れて混ぜるだけで簡単にできるのがいいですよね。その日の気分で具材をアレンジしやすいのもポイントが高いです。今後もいろんな料理にもチャレンジして、レパートリーを増やしていきたいですね。

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お酢が苦手な方は料理からトライして

まざまな角度からお酢の魅力を知る大林さん。米酢や穀物酢がちょっと苦手な人が自分に合ったお酢を見つけるには、いろんな種類を試してみたり、料理で使うのがおすすめだそう。

料理にお酢を使う場合、お酢が苦手な人にとっては酢の物って結構ハードルが高い食べ物だと思うので、煮物などの料理がいいと思います。加熱することで酸味がまろやかになって食べやすくなりますよ。お酢が入っている料理はたくさんありますし、温度が変わるだけで味のニュアンスも変わるのでおすすめです。

米酢や穀物酢のツンとする匂いや味が苦手な方は、バルサミコ酢や黒酢などいろんな酢を試してみるのもいいかもしれません。また、先ほど述べたように、最近はフルーツフレーバーのお酢ドリンクもラインナップが豊富ですし、ゼリーなどスイーツ系も甘酸っぱくて食べやすいですよ。いろんなお酢を試してみることで、自分に合ったものが見つかると思います。」

撮影/梁瀬写真事務所
文/金井さと子