中性脂肪を減らすための食事のコツ|お酢を活用しよう

中性脂肪の増えすぎは、肥満をはじめとしたさまざまな健康トラブルにつながる可能性があります。蓄積した中性脂肪を減らすためには、生活習慣の見直しが大切です。中でも食生活を整えることは重要です。ここでは、中性脂肪を減らすための食事のコツを紹介します。中性脂肪が気になる人におすすめのお酢の活用法も必見です!

中性脂肪とは?値が高いとどうなる?

中性脂肪は、体脂肪の大部分を占めるもので、エネルギーが不足した場合に、エネルギー源となります。食事によってからだに取り込まれたエネルギーが余ると、肝臓で中性脂肪がつくられ、皮下脂肪や内臓脂肪などとして蓄えられます。皮下脂肪には、体温を保つ、内臓を衝撃から守るといった役割もあります。

からだにとって必要不可欠な働きのある中性脂肪ですが、血中の中性脂肪が増えすぎると、さまざまなトラブルを引き起こします。“万病の元”といわれる肥満をはじめ、脂質異常症などの生活習慣病、動脈硬化、心疾患、脳血管疾患など重大なリスクにつながる場合も。健康のためにも適正な体重を維持し、血中の中性脂肪を増やさないようにすることが大切です。

中性脂肪を減らすために、まずは生活習慣を見直そう

中性脂肪が増えてしまう原因のほとんどは生活習慣にあります。中性脂肪を減らすためには、下記のようなポイントを見直してみましょう。

●運動
血中の中性脂肪値を低下させるには、1日合計30分以上の運動を、少なくとも週3日は取り入れることが推奨されています。合計30分以上になれば、短時間の運動を数回に分けて行なってもOK。おすすめは、ウォーキングや水泳、サイクリングなどの有酸素運動です。運動習慣がない場合は、掃除や洗車、子どもと遊ぶ、自転車で買い物に行くなど、生活の中でからだを動かす量を増やすところから始めましょう。

●食事
食べすぎや飲みすぎ、糖分や脂質の多い食事、砂糖を多く含むお菓子や加糖飲料、動物性脂肪やコレステロールの多い食品は、中性脂肪を増やす原因になります。中性脂肪を減らすには、まずは栄養バランスのよい食事が大切です。主食・主菜・副菜がそろった食事を、1日3食とることを心がけて。糖分や脂質のとり方にも注意しましょう。

●喫煙
たばこには中性脂肪を増やす作用や、血中の悪玉コレステロールを増やし、善玉コレステロールを減らす作用があるといわれています。各コレステロール値が正常範囲を超えてしまうと、脂質異常症となり動脈硬化を引き起こす原因にも。喫煙している場合は、すぐに禁煙を。受動喫煙にも気をつけましょう。

●飲酒
アルコールの飲みすぎは、肝臓で中性脂肪がつくられるのを促進してしまいます。お酒を飲むときは、適量を心がけましょう。1日の適度な飲酒量は、純アルコール量で20gを超えない量。ビールなら中びん1本(500ml)、日本酒なら1合(180ml)、ワインなら2杯(200ml)、焼酎ならグラス1/2杯(100ml)程度が目安です。

中性脂肪を減らすための食事・調理のコツ

中性脂肪が増える原因の中でも、重要度の高い食事や調理のコツを紹介します。下記のような点に気をつけ、中性脂肪を減らす食生活を心がけましょう。 

●n‐3系脂肪酸を多く含む魚介類をとる
中性脂肪は、さまざまな「脂肪酸」によって構成されています。中でも青魚に含まれるEPAやDHAなどのn-3系不飽和脂肪酸には、血液中の中性脂肪値を下げる作用が期待できます。このn-3系不飽和脂肪酸は体内で合成されないため、青魚などを食事に取り入れて積極的にとりましょう。

●食物繊維を多く含むきのこ類、海藻類、野菜をとる
食物繊維の中でも水に溶けやすい「水溶性食物繊維」には、中性脂肪の吸収をおだやかにし、内臓脂肪の蓄積を減らす作用があるといわれています。水溶性食物繊維は、主に雑穀、きのこ類や海藻類、野菜、果物などに多く含まれるため、おすすめです。

●植物性たんぱく質をとる
植物性たんぱく質にも、血液中の中性脂肪やコレステロールを減らす働きがあるといわれています。代表的な食材は「大豆」。豆腐や納豆などの大豆製品を、毎日の献立に取り入れましょう。

●揚げるより焼く、焼くより蒸す・煮る
中性脂肪を増やしてしまう脂質のとりすぎは、調理法によっても改善できます。調理に使用する油の量は、「揚げる>炒める>焼く>蒸す・煮る」の順に少なくなる傾向が。できるだけ揚げ物は控え、油を使わない調理法を選びましょう。

●肉の部位を選択する
肉を食べるときに、脂身の少ない部位を選ぶのも効果的です。脂身が少なく赤身の多いヒレ肉やもも肉を選びましょう。鶏肉は皮を取り除いて食べるのもおすすめです。

●食べる順番を工夫する
血糖値の急激な上昇は、中性脂肪の産生を増やし、中性脂肪を分解する酵素の働きを悪くすると考えられています。血糖値の上昇を緩やかにするには、食べる順番を工夫すること。食物繊維を多く含む野菜や海藻類、きのこなどのおかずから先に食べ、糖質となる主食などは最後に食べるようにしましょう。

●甘いものは控えめに
中性脂肪が増えてしまうのは、摂取したエネルギーが余るから。糖質は、とりすぎると脂肪として蓄えられます。砂糖を多く含む、お菓子類やフルーツジュース、清涼飲料水などの加糖飲料は、できるだけ控えめにしましょう。

●夜のフルーツも控える
フルーツには、ブドウ糖や果糖といった糖質が多く含まれています。果糖のほとんどは主に肝臓で代謝されるため、とりすぎると中性脂肪として体内に蓄積されやすいといわれています。果糖はブドウ糖よりも早くエネルギーとして利用されるため、食べるなら日中の活動量が多い時間帯がおすすめです。活動量が少なくなる夜は、食べるのを控えましょう。

<注意点>
りすぎると中性脂肪を増やす原因となる糖質や脂質ですが、極端に減らし過ぎるのも注意が必要です。
糖質は人間のエネルギー源であり、とくにブドウ糖は脳にとっては欠かせないもの。極端な糖質不足は意識障害などにつながることもあります。大切なのは、適正量をとることです。

また脂質も、人間にとって効率の良いエネルギー源であり、生理機能を維持するため体内でさまざまな役割を果たしています。油や脂質は、完全にカットするのではなく、良質なものをとることが大切なのです。

コラム:お酢の継続摂取で内臓脂肪、血中中性脂肪が減少

肥満気味(BMI:25-30kg/m²)で平均血中中性脂肪が155.5mg/dl(正常値は150mg/dl未満)の成人男女にお酢約15ml(酢酸750mg)を含む飲料、または、含まないプラセボ飲料(食酢の代わりに乳酸で味を似せた比較用の飲料)を1日1本(500ml)、朝晩2回に分けて12週間毎日続けて摂取してもらったところ、お酢を含む飲料をとった多くの方で内臓脂肪、体重、腹囲、BMI、血中中性脂肪が減少しました。

参考

中性脂肪が気になる方に!「お酢」がとれるレシピ

肥満気味の人の内臓脂肪や血中中性脂肪を減少させる働きがあるといわれるお酢。毎日大さじ1杯、気軽にとれるおすすめメニューを紹介します。

お酢ドリンク

みかん酢ドリンク

イメージ写真_みかん酢_コップに注いだみかん酢

野菜ジュースと黒酢ドリンク

酢ープ

お酢入りコーンポタージュ

イメージ写真_コーンポタージュにお酢を入れる

常備菜

なめたけ

切り干し大根のはりはり漬け

切り干し大根で作る「はりはり漬け」

 


 監修/おいしい健康 管理栄養士