なすなかにしさん「おじさんになって気づいた酢の奥深さ」

「ロケの神様」の異名を持ち、情報番組で引っ張りだこのなすなかにしさん。食レポで食べ歩く機会の多いお二人にとって、お酢はどのような存在なのでしょうか。お酢をテーマにお話を伺いました。

なすなかにし

松竹芸能所属。那須晃行と中西茂樹とで2001年に結成されたお笑いコンビ。いとこ同士ならではの息の合った漫才が特徴。2007年第42回上方漫才大賞優秀新人賞受賞。ロケに定評があり、テレビ番組など多数出演。アニメのメインキャラクターの声優も担当する。

人気女性タレントに教えてもらったスーパーフード

――お酢はお好きですか?

中西:年を重ねておいしく感じるようになってきましたね。子供の頃、お酢って自分から食べようとはなかなか思わないじゃないですか。それが大人になって、「この酸味がたまらない」という瞬間が出てくるようになった気がします。

那須:年を取ると食欲が落ちてくるので、そういう時は、酢のさっぱり感があると食べやすくなりますよね。でもおじさんだけじゃなく、今は若い方もお酢を好んでいるイメージがあって。

中西:そう?

那須:生の玉ねぎをスライスして、リンゴ酢に漬けたものが、モデルさんの間でスーパーフードとして出回っているみたいです。僕は元アイドルの女性タレントさんから教えてもらいました。

気がついたらお酢を瓶1本分かけていることも

――普段の食事ではどんな時にお酢を使いますか?

中西僕は餃子を胡椒とお酢で食べています。以前、宇都宮に餃子を食べに行くロケがあって、そういう食べ方があることをお店で教えてもらったんですよ。「醤油以外にこんな食べ方があったんだ!」と衝撃を覚えましたね。それから家で餃子を食べる時、よく使っています。

那須あれ餃子につける調味料の中で一番うまいよね。僕は夏にそうめんを酢だけで食べることがあります。もともとそうめんが好きで、家に備蓄していたんですよ。それで食べようとしたら、めんつゆがなくてわざわざ買いに行くのも面倒くさかった。仕方なく家にあるもので何か代用品にならないか探したら、酢があったので一回試してみたんです。そうしたら「これ、意外といける!」と気づいて、それからよく食べています。

中西醤油は入れない?

那須入れない。

中西酸っぱくない?

那須酸味があるから、やっぱりむせることもあるよ。でも、酢が好きなんで、「これがいいんだ!」と思えるかな。人に積極的にお勧めしてはいませんけど、僕は好きです。そうそう、麺類でいえば、中華そばとお酢も合いますよね。よく食べに行くワンタンメンがあるんですよ。そこでは麺を食べた後にスープを少しだけ残して、酢をぶわーっとかけてスープを酢割りします。口の中に濃い味が残っちゃうので、最後、酢によってさっぱり終わらせたい。あれはおいしいです。

中西そういえばうちの妻もご飯を食べに行ったら、冷麺にはめっちゃお酢をかけていますね。「何周回すねん?」と言いたくなるぐらいかけている。

那須その気持ちはわかる。気がついたら冷麺に瓶1本近く使うこともあるからね。中華料理店に行くと、置いてあるお酢は結構使うな~。天津飯とか八宝菜とか、あんかけとお酢がめちゃくちゃ合うんですよ。

中西結局、お酢はほぼ何にでも合うんじゃないですかね。どんな食材でもそこまで邪魔しないで、料理のよさもしっかり引き立てる。ちゃんと脇役にもなれて万能なのかもしれません。

脳梗塞をきっかけに健康への意識が高まった

―― ご家庭でもお酢はよく登場しますか?

中西はい。妻が料理好きで、色々なメニューでお酢を使っていますね。タコの酢の物もよく食卓にあがりますよ。

――自分で作ることはあります?

中西それはやらないです。僕、火と包丁が嫌いなんで(笑)。するとしたら、それ以外でできる料理かな。

那須火と包丁を使わない料理なんて、あんまりないでしょ。

中西確かに数は限られるかも。ハムを手でちぎったり・・・。

那須そんな料理ある?(笑) 僕は外食することが多かったんですけど、去年の12月に脳梗塞で倒れてから自分で料理するようになりました。その方が塩分を調整できるので・・・。

中西若い頃よりも健康を意識するようになって、塩は気になりますね。最近、栄養学に詳しい知人から、ゲランドの塩(フランスの伝統ある天日塩)が体にいいと勧められて買ったんですよ。加減が難しくて、今のところ辛く感じてまだ自分の口に合っていないんですけど。あと調味料を有機栽培のものに替えたりしています。

那須健康ということではお酢は体にいいですから、番組で学んだ使い方をこれから自分の食生活にも取り入れてみたいと思います。

収録で大活躍したお酢&試行錯誤したお酢とは

前代未聞のお酢偏愛番組、BS松竹東急『お酢きびと』に出演したなすなかにしさん。料理とお酢の相性を検証する“ちょい足酢(たす)”企画にチャレンジした感想を伺いました。

――『お酢きびと』を収録して、いかがでしたか?

中西最初話をいただいた時、「お酢だけで番組1本つくれるのか?」という驚きはありましたね。思い切った企画というか、お酢だけにずいぶん酸味の効いたことをするなと(笑)。

那須でも収録してみたら、いろんな料理に対してどのお酢が合うのかという発見があって、ずっと楽しかったです。日常的にお酢をよく使っている方からの「こういうレシピがありますよ」という投稿も紹介させていただいて、みんなお酢が好きなんだな~と思いました。

――番組では料理とお酢の組み合わせをいろいろ探求されていましたが、どれが印象に残りました?

中西とんこつラーメンにお酢とラー油とごま油を合わせた、酸辣湯麺(サンラータンメン)です。あれはめちゃくちゃおいしかったですね。それぞれの調味料がバラバラになっていなくて、味がまとまっている感じがしました。

那須あれはよかった。インスタント食品なのにお店で食べているような味がして、「家でもこれが作れるんだ」とびっくりしました。

――収録では穀物酢、黒酢、リンゴ酢、バルサミコ酢、ワインビネガーの5種類のお酢と料理の相性を試されていましたね。黒酢を重宝していた印象がありますが・・・。

中西合う料理が多くて、かなり活躍しました。一方、バルサミコ酢がなかなか合うものが見つからなくて、「こいつはどこで活きてくれるのかな?」と試行錯誤しましたね。普段、ドレッシングとしてサラダに使っているイメージがあるじゃないですか。

那須それで期待していたんですけど、だんだん信頼が失われていきました(笑)。料理によっては、手に取らないことが結構あった気もします。

中西ただ最後、味噌汁に入れたらめっちゃおいしかったんで、ますますわからなくなりました。今後どの食材が合うのか、探していきたいですね。

那須でもいい組み合わせを見つけるのは難しかったです。そのお酢自体はおいしいのに料理と合わせたら、よくわからない味にもなったりして・・・。あれは「M-1グランプリの1回戦に出場する即席ユニット」みたいでした。それぞれ実力はあるのに、いざ組んだら噛み合っていなくてそのまま予選落ちするような(笑)。

中西「このままずっと一緒にやっていくつもりはない!」という雰囲気がありましたね。

――番組はどんな方に見てほしいですか?

那須お酢をそんなに好きではなかった人、関心の薄かった人が、番組がきっかけになって、ちょっと使ってみようという気持ちになってくれたら嬉しいですね。いろんなお酢が並ぶ食卓になったら楽しいかなと。

中西結果、お酢にハマる『お酢きびと』が増えればいいですね。

撮影/梁瀬写真事務所
文/鈴木工

全世界の“お酢好きさん”におくる前代未聞の“お酢偏愛”番組「お酢きびと」
(毎週木曜夕方6時~BS松竹東急にて全国無料放送!)

お酢をこよなく愛する“お酢きびと”が「お酢×◯◯◯」をキーワードに、お酢にまつわるあれやこれやを取り上げてみては、お酢の“酢っばらしさ”を褒めちぎる番組で酢!

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