

おしゃれピクルス【萩野菜ピクルス】ができるまで|創業者インタビュー
山口県で製造、販売している「萩野菜ピクルス」。瓶詰めされたピクルスは、まるでハーバリウムのよう。代表の椋木(むくのき)章雄さんに、ピクルスやお酢の魅力についてお話を伺いました。
目次
Q1 ピクルスに注目したきっかけを教えてください。
「地元・山口の産業に貢献したいと考えて、山口県・萩市で作られている野菜を『萩野菜』と名づけ、プロデュース販売をしていたんです。あるとき農家さんから、規格外のパプリカをどうにかしてもらえないかという話を持ちかけられました。規格外のパプリカは穴があいているので、中に虫が入っている可能性があるんです。だから、割って中身を確かめてから売ってほしいと。
これは加工品にするしかないと思い、ピンときたのが、とある農家さんが道端で売っていたピクルス。カップ酒の空き瓶にお酢と野菜を詰めただけのシンプルなピクルスだったのですが、すごくきれいだったんです。聞いてみると『西洋の漬物』とのこと。きちんと商品化すれば、一般の消費者に受け入れられるのではないかと思いました」
Q2 商品開発で苦労した点はありますか?
「私自身ピクルスに馴染みがなかったので、まずはありとあらゆるピクルスを食べることから始めました。その一環として、名古屋にあるピクルスを出すバーに足を運んでみたのですが、すでにピクルスの提供をやめてしまっていたのです。唯一メニューに残っていたのが『らっきょうのピクルス』。食べてみたら、らっきょうの甘酢漬けだったんですよね。『日本の酢漬けをピクルスと呼んでいいんだ!』と、驚きました。
もともとかぶの千枚漬けが好きだったので、いろいろなレシピを研究して、第1号となる和風味のピクルスを誕生させました。今ではハーブ類はローリエやタイム、粒マスタードや黒胡椒、唐辛子、レモン、梅などを合わせて、風味のバリエーションを出しています」
Q3 お酢へのこだわりを聞かせてください。
「『萩野菜ピクルス』には、基本的に穀物酢を使っています。穀物酢はクセがなく、どんな野菜にも合って食べやすいんです。我が家の食卓にも、毎日ピクルスが並びます。余った野菜を市販の調味酢に漬けるだけ。特別なことは何もしていません。野菜の色がきれいに出て映えるから、食卓がパッと明るくなります。
私には4歳の子どもがいるのですが、とにかく酢を摂らせたいんです。サラダにピクルスをトッピングすることもあるのですが、すごくよく食べますね。からだにいいものなので、続けていきたいです」
Q4 椋木さんおすすめピクルス3選を教えてください。
約10種類ある「萩野菜ピクルス 」の中で、特におすすめの商品を3つ、椋木さんにあげてもらいました。
1)プチトマトsweetハニーシロップ 【写真・中】
リンゴ酢×はちみつで、プチトマトがフルーティーに食べられます。皮を湯むきしてあるので、口当たりもソフト。食べたあとは、レモンとバジルの香りが口いっぱいに広がります。
2)萩野菜ピクルス和風味 【写真・右】
昆布だしに、みりんを加えた和風味。季節折々の、萩のとれたて野菜がミックスされています。和食の箸休めにぴったり。萩野菜ピクルスを代表する一品です。
3)サツマイモとバニラビーンズ 【写真・左】
バニラビーンズとはちみつのピクルス液に、サツマイモ、レモンの輪切りを漬け込みました。スイーツのようなピクルスなので、果物感覚でアイスクリームに添えてもおいしい!
Q5 ピクルスを広めるための、今後の活動について聞かせてください。
「ピクルスの製造・販売を実践形式で学べる 『ピクルスアカデミー』の運営や、ピクルスを使ったサンドイッチ、サラダの販売、カフェの運営などを行い、多角的にピクルスの普及に努めています。ホームページではピクルスのレシピを公開し、お酢やピクルスについての記事も積極的に発信しています。今はお酢の健康効果に注目していまして、特に女性がターゲット。見た目で気分が上がる、元気になる。そんな商品を生み出していきたいです」
撮影/マキタオ モリツグ
取材・編集/お酢でおいしさと健康を考える会 編集部
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