イメージ写真_黒酢と豆乳の台湾朝ごはん「シェントウジャン」

黒酢と豆乳の台湾朝ごはん 「シェントウジャン」の作り方

台湾の朝ごはん「シェントウジャン」。黒酢が入った豆乳のスープで、フワフワとした食感がいま人気です。台湾に何度も行かれている料理研究家の重信初江さんに、家庭でできるシェントウジャンのレシピとおいしさの秘密を教えていただきました。

台湾で出会った毎日でも食べたいヘルシーごはん

―初江さんはよく台湾に行かれるそうですね。

海外で現地のおいしいものを探すのが好きで、しょっちゅう旅に出ています。今まで、いろいろな国を訪れていますが、台湾は大好きな国のひとつ。初めて台湾を訪れたのは25年前で、以来、2~3年に1度くらいのペースで行っています

―台湾に行くと必ず食べる料理があるとか…

「台湾には朝早くからやっている朝ごはん屋さんがあり、いつも現地の人でにぎわっています。そこで人気の『シェントウジャン』は絶対にはずせませんね。現地では、あらかじめどんぶり鉢のような器に、黒酢やしょうゆ、ねぎ、干しえびなどを入れておき、そこにアツアツの豆乳をザーッと入れるんです。しばらくすると豆乳が固まりふるふるとしたやわらかい豆腐のような状態に。これをレンゲですくって食べるのですが、もう、本当においしくて!」

忙しい朝にもすぐできるシェントウジャンレシピ

―「シェントウジャン」を家でつくるのは難しいですか?

「いえいえ。おうちでも簡単に作れます。おいしいシェントウジャンを作るためには、お酢は断然黒酢です。そして味の決め手となるのが桜えび。台湾では干しエビを使っているのですが、日本ではさくらえびのほうが手に入りやすく、見た目もきれいに仕上がります

―作り方のポイントは?

「ザーサイ、万能ねぎ、桜えびを用意し、黒酢としょうゆとともにどんぶり鉢へ入れます。熱した豆乳を注いでしばらくおくだけ。みそ汁より準備がラクかもしれません。豆乳はフツフツと煮立つ直前くらいまで熱するのがポイント。小鍋だと作りやすいですね。刻んだザーサイや万能ねぎを冷蔵庫に準備しておけば、あっという間に本場の味を楽しめますよ!」

シェントウジャン

材料(1人分)

  • 無調整豆乳……200ml
  • ザーサイ(味つき)のみじん切り……大さじ1(6〜7g)
  • 小ねぎの小口切り……大さじ1(5g)
  • 桜えび(乾燥)……ひとつまみ(3〜4g)
  • 黒酢……大さじ1/2(7.5g)
  • しょうゆ……小さじ1/2(3g)
  • お好みでごま油……小さじ1/3(2g)

作り方

  1. 器に豆乳以外の材料を入れる。
  2. 小鍋に豆乳を温め、沸騰手前に火を止める。
  3. 1.の器に注ぎ、軽く混ぜて2〜3分おく。
  • 栄養価(1人分)
  • エネルギー 126kcal
  • たんぱく質 10.5g
  • 脂質 5.5g
  • 炭水化物 7.7g
  • 食物繊維 0.8g
  • 食塩相当量 1.4g

黒酢と豆乳が生み出すふるふる感がたまらない

―本当にあっという間にできるんですね。

「そうでしょう。現地では揚げパンに浸して食べるのがポピュラーですが、カリッと焼いたトーストにも合いますし、ご飯にももちろん合うので、トースト派もごはん派も楽しめます

―シェントウジャンの魅力はどんなところだと思いますか?

「なんといっても、ふるふるの食感ですね。豆乳と黒酢があわさって、目の前でおぼろ豆腐のように固まっていく様子はワクワクしますよ。そして、やさしい味わいにもほっとするはず。豆乳の甘みに、桜えびやザーサイのうまみと塩けが加わったおいしさは絶品です。黒酢が意外と主張しすぎていないところも魅力かもしれません。豆乳でたんぱく質がとれることもうれしいですね。食べると朝から元気になれるので、シェントウジャンを食べた事がある人も、ない人も、ぜひ作ってみてください。好みでラー油を垂らしてもおいしいですよ」

  • ふるふるの食感とおいしさをぜひ味わってみて。

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撮影/広瀬貴子 取材・文/川端浩湖

監修:重信初江さん

料理研究家。料理研究家のアシスタントを経て独立。家庭にある身近な素材で作る簡単でおいしい毎日のおかずに定評がある。おふくろの味から本格エスニック料理まで幅広いメニューが人気で、雑誌やテレビなど多方面で活躍中。著書に『遅夜スープ』(宝島社)、『冬つまみ 寒い季節をおいしく過ごす酒の肴一二〇』(池田書店)など多数。