りんご酢とりんご、りんご酢ドリンクが置かれている様子

お酢を使ったノンアルコールカクテルのすすめ

お酢のノンアルコールカクテルは健康にどのような効果をもたらすのでしょうか? 管理栄養士として、患者さんへの食事指導のほか、講演会などでも栄養管理や栄養の重要性を広く伝えている赤石定典先生にうかがいました。

Q1 お酒との付き合い方について、患者さんにはどのように指導されていますか?

「お酒が楽しみになっている患者さんもいらっしゃいますから、禁酒が必須でない限り、無理にはお酒を止めてはいません。禁酒までいかなくても控えていただきたい場合は、缶ビール500mlを300mlにするなど1回の飲酒量を減らす、月2回だった休肝日を週1回にして飲む回数を減らすなど、どうすれば無理なくアルコールを減らせるのか、患者さんが納得できる方法を探します」

Q2 お酢がお酒の代わりになるような機能的なメカニズムは考えられるでしょうか?

イメージ画像_ミントを添えたお酢ドリンク

「お酢にはお酒と同様に、血管を拡張させる効果があることがわかっています。そのため、お酢を飲むと血流がよくなり、お酒を飲んだときのように体がほんわかと温まる感じはあるでしょう。とはいえ、お酒が好きな方の多くは、お酒に“酔い”を求めていると思います。お酢にはアルコールが含まれていないので、残念ながら“酔い”は感じられません。

ただ、果物をお酢に漬け込んだものを炭酸で割ったり、ジュースにお酢を加えたりしたお酢のノンアルコールカクテルは、見た目もきれいなので、お酒の雰囲気に合うと思います。ミントなどのハーブを飾ればよりおしゃれですね。私もお酒が好きなのですが、リンゴ酢を炭酸で割ったお酢ドリンクなどは、お酒でなくても意外と満足できるものです。お酒に似た雰囲気が演出でき、味にも満足できるお酢のノンアルコールカクテルは、ある程度お酒の代わりになるといえるのではないでしょうか」

Q3 ノンアルコールカクテルにお酢を取り入れることによる健康効果について、お考えをお聞かせください。

「私は、患者さんへの食事指導のほか、講演会などでも“お酢を積極的にとりましょう”という啓発活動をしています。毎日の大さじ一杯(約15ml)の食酢が、肥満気味の方の内蔵脂肪の減少や、高めの血圧や血糖値上昇の緩和などに働くことが証明されています(※1、2、3)。

高血圧や高血糖は、血管にダメージを与えて、脳血管障害や心筋梗塞などのリスクを高めます。感染症にかかれば、重症化する可能性も少なくありません。お酢を継続して飲むことは生活習慣病を予防し、さらにその先にある怖い病気を予防することにつながっていくと思います。私はお酒を控えなければならない妊婦さんにも食事指導をすることがありますが、お酢のノンアルコールカクテルはぜひおすすめしたいですね」

Q4 お酢を飲む習慣がない人は、どのようにお酢を取り入れるといいでしょうか?

イメージ画像_お酢のポイントについて語る栄養士

「まず言いたいのは、お酢は“最強の調味料”ということです。調味料の中でも砂糖は使い過ぎると血糖値を上げてしまいますし、塩は血圧を上げてしまいます。でも、お酢は、そのようなリスクもなく、むしろ血糖値や血圧を下げてくれます。

私は講演会などでお酢を料理のプロセスや仕上げに加えるだけで、より質の高い食事になるということをお伝えしています。たとえば、肉や魚介類を調理するときにお酢を加えると、酢酸の作用でカルシウムが煮汁に溶け出して、カルシウムを無駄なく摂ることができます。お酢には腸管でのカルシウム吸収を助ける働きもあるので、ダブルの効果があります。日本人はカルシウムが不足しているといわれます(※4)。お酢を積極的に摂ることで、骨粗しょう症の予防にも役立つでしょう」

Q5 おすすめのお酢を使ったノンアルコールカクテルはありますか?

「焼酎のお湯割りは、お湯を先に注いで最後に焼酎を入れると焼酎の香りが立ちます。それと同様に、炭酸水や市販のジュースをグラスに注いでからリンゴ酢など酸味があまり強くないお酢を入れてそのまま飲むか、軽くひと混ぜすると適度に酸味が効いてさっぱりとした飲み心地になります。

イメージ画像_炭酸水にお酢を注いでいるところ

ピクルス液をカクテルのベースにして炭酸水で割るのもおすすめです。漬けた野菜や果物の味によっていろいろな味が楽しめます。手軽な方法としては、市販のノンアルコールカクテルにお酢を加えてもいいでしょう。市販品はすでに味が完成しているので、お酢を加えてから全体を軽く混ぜると酸味がマイルドになって抵抗なく飲めると思います」

1) 「Vinegar intake reduces body weight, body fat mass, and serum triglyceride levels in obese Japanese subjects」(Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry 73(8):1837-1843 2009)
2)「食酢配合飲料の正常高値血圧者および軽症高血圧者に対する降圧効果」(健康・栄養食品研究 6(1):51-68 2003)
3)「健常な女性における食酢の食後血糖値上昇抑制効果」(日本臨床栄養学会雑誌 27:321-325 2006)
4)    厚生労働省「令和元年 国民健康・栄養調査」

文/高橋 裕子

東京慈恵会医科大学附属病院 栄養部係長 管理栄養士 赤石定典先生

1991年華学園栄養専門学校卒業後、東京慈恵会医科大学附属病院栄養部入職。分院を経て、2014年附属病院へ異動、現在に至る。『疲れ知らずで病気にならない 名医が教える科学的に正しい食べ合わせ』(KADOKAWA)などの書籍監修やメディア出演で、患者さんへの栄養管理や栄養の重要性を広く伝えている。

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